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REVA買収でEV部門に参入、印マヒンドラ&マヒンドラ社

 【バンガロール(インド)26日PRN=共同JBN】マヒンドラ&マヒンドラ社(Mahindra & Mahindra Ltd.)は26日、レバ・エレクトリック・カー社(REVA Electric Car Co Ltd.)の過半数の株式を取得することによって電気自動車の分野での地位を強化した。レバ・エレクトリック・カー社は、マヒンドラ・レバ・エレクトリック・ビークル社(Mahindra REVA Electric Vehicle Co Ltd.)と改称される。両社が同日調印した新規合意によると、マヒンドラ&マヒンドラは、株式発行人からの株式買収と、マヒンドラ・レバ社への4億5000万ルピー(約1000万米ドル)以上の新規株式注入とを組み合わせることによって、マヒンドラ・レバ社の株式55・2パーセントを取得する。この買収によって、マヒンドラ・グループは電気自動車分野で強力なグローバルプレーヤーになる。

 マヒンドラ・レバ社役員会は買収後、マヒンドラ&マヒンドラ社の自動車&農機具部門責任者であるパワン・ゴエンカ博士を会長として再構成された。新役員には、マヒンドラ&マヒンドラから5人、マイニ・ファミリーから2人、米カリフォルニア州のAEV社(REVA共同設立者)から1人が含まれている。今後、無所属の役員一人が役員会に加わる。チェタン・マイニ氏は技術戦略の責任者として引き続きマヒンドラ・レバで重要な役割を担う。

 同社中核の持続可能なモビリティー・イニシアチブに沿って、マヒンドラは環境技術をここ10年間にわたり開発し、スコーピオ(Scorpio)でディーゼルハイブリッド技術を、3輪車両のアルファ(Alfa)で水素エンジンを実証してきた。マヒンドラは100パーセントのバイオディーゼルで稼動する試験車両を持ち、インドで最初にマイクロハイブリッド技術を開始するとともに、このマイクロハイブリッド車種5万台以上を現在一般路上で走らせている。EVにおいては、マヒンドラは電気3輪自動車ビジュリー(Bijlee)を1999年に開発したことに加え、小型トラックのマキシモ(Maxximo)の電気駆動車種を開発中である。マヒンドラ・レバのEV技術は、これらをはじめとするマヒンドラ&マヒンドラ社の自動車に採用される。強力なEV技術へのアクセスによって、マヒンドラは他の持続可能イニシアチブを強化することができる。

 レバは現在、世界24カ国で同社製品を販売し、間違いなく世界最大のEVフリートである総計3500以上の車両数を抱えている。レバは最近、次世代電気自動車モデルとなるNXRとNXGを公表し、熱烈な反応を得た。マヒンドラ・レバはマヒンドラの車両開発技術と販売網にアクセス可能となり、世界市場で最先端の電気自動車を発売する能力を大幅に向上させることができる。

 マヒンドラ&マヒンドラのアナンド・マヒンドラ副会長兼マネージングディレクターは今回の買収について「気候変動や二酸化炭素排出量などの問題が世界で注目されており、環境にやさしい運搬手段がいま必要とされている。マヒンドラはすでに、立証済みの持続可能なモビリティー・ソリューション・プログラムを持っており、レバと連携することによって、われわれはインドおよび海外の両地域でわれわれの環境に配慮した足跡を一層拡大することが可能となる」と述べた。

 マヒンドラ&マヒンドラの自動車&農機具部門責任者で、新設マヒンドラ・レバの新たに選出された会長であるパワン・ゴエンカ博士は「これはマヒンドラにとって持続可能モビリティーを推進するために重要な戦略的買収である。マヒンドラとレバは一緒になることで補完的な強化をもたらす。マヒンドラが持っている車両設計専門技術、世界販売網、ソーシング力、資金調達サポートを備えることによって、レバの車両は市場浸透を大幅増強する可能性を秘めている。マヒンドラはまた、レバのEV技術をマヒンドラ製品のために使用できる利点がある」と語った。

 新設マヒンドラ・レバの技術&戦略責任者のチェタン・マイニ氏は「EV市場は大きく成長する態勢にあり、われわれはこのチャンスをつかむため大手自動車企業の資源と経験が必要であると判断した。われわれは、マヒンドラが原則に基づきかつ持続可能な成長というわれわれのビジョンを共有するだけでなく、素晴らしい企業ガバナンスで定評がある企業であることが分かった。マヒンドラが投資した結果、マヒンドラ・レバは拡大、革新、加速することが可能で、その結果、より多くの地域でより多くの顧客に対してより良い製品を提供できるようになる」と語った。

 ▽レバ(REVA)について
 レバは1994年、インド・バンガロールのマイニ・グループ(Maini Group)と米カリフォルニア州のAEV社(AEV LLC)の合弁企業としてバンガロールに創設された。レバ電気自動車は2001年にバンガロールで、2004年にロンドンでG-Wizのブランドで初めて市販された。レバは現在、世界市場で最大規模の販売済みの電気自動車を持つ技術革新企業であり、欧州、アジア、中南米の24カ国で3500台以上の同社車両が路上を走行し、1億万キロ以上にのぼるユーザー体験からデータを蓄積している。

 レバは2009年9月の63回フランクフルト・モーターショーで、レバのユニークな自社技術であるリバイブ(REVive)遠隔緊急充電システムを搭載したNXRとNXGという新型電気自動車2車種を発表した。2010年1月には、レバの支援によるインドGMのプラットフォーム搭載のシボレーeスパーク(Chevrolet e-Spark)がデリー・オートショーで公表された。

 レバの技術リーダーシップが認められて、レバはフロスト&サリバンの2008年「ヨーロピアン・パワートレイン・カンパニー・オブ・ザ・イヤー」を受賞、これに先んじてビジネス・ワールド・マガジンによってインドの「クール・カンパニー」の一つに選ばれた。オーバードライブ、CNBC、TV18が最近、レバに2010年「グリーン・カー・オブ・ザ・イアー」を授与した。

 ▽マヒンドラ・グループ(Mahindra Group)について
マヒンドラは1945年、インドでウィリスジープの組み立てによって社歴をスタートさせ、現在は63億米ドルのインド多国籍企業である。同社は世界で10万人以上を雇用し、金融サービス、観光、インフラ開発、貿易、ロジスティックスで顕著かつ拡大するプレゼンスを備え、多用途車両、トラクター、情報技術(IT)で指導的な地位を築いている。マヒンドラ・グループは現在、グローバル・エクセレンスを具現化し、強力な企業ブランドイメージを享受している。

 マヒンドラは、世界の上位トラクター企業の中で唯一のインド企業であり、二輪車部門に参入したことによって自動車産業のほぼ全部門でのプレゼンスを備える全車種生産企業となる。

 マヒンドラ・グループは、テック・マヒンドラ(Tech Mahindra)が有力な世界的ビジネス・情報技術サービス企業であるサトヤム・コンピューター・サービシズ(Satyam Computer Services)を買収し、ITポートフォリオを拡大した。同社は現在、マヒンドラ・サトヤムとして知られている。

 マヒンドラの農機具部門は日本品質管理賞(Japan Quality Medal)を受賞しており、この名誉を授けられた世界唯一のトラクター企業である。同農機具部門はさらに、デミング賞を獲得した世界唯一のトラクター企業としての名声も保持している。米国を本拠とするレピュテーション・インスティチュートは「ワールド・ベスト・コーポレート・レピュテーション・リスト」にあるグローバル200社の中のトップ10インド企業にマヒンドラをランク付けしている。

 マヒンドラはまた、GRI(グローバル・レポーティング・イニシアチブ)の2007-08年のサステイナビリティー・リポートでA+のレーティングを受けたインド企業数社のうちの一つであり、2008-09年もA+レーティングを受けた。


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