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日産、米国で「リーフ」の生産準備着手 年間15万台規模

リーフ
3月30日リーフ発売記者会見でリーフに電気を供給する志賀COO(写真・日産自動車)
 日産自動車は26日、米国において、同社初の量産電気自動車(EV)「日産リーフ」の生産準備に着手すると発表した。米テネシー州スマーナにおいて、「リーフ」に搭載されるリチウムイオンバッテリーの生産工場の鍬入式を行った。「日産リーフ」の米国での生産は、2012年より同社の車両組立工場で開始される。

 スマーナでの「日産リーフ」およびバッテリーの生産により、本格稼働時には、同地域に最大1300名の雇用が創出されると見込まれている。全体で130万平方フィート(約39万平方メートル)の敷地面積を持つ北米最大級の自動車用バッテリー生産工場となる同工場は、フル稼働時に年間生産能力20万台分の規模となる予定である。また、同工場は車両組立工場に隣接しており、年間15万台の規模で「日産リーフ」の生産が可能となる。

 カルロス・ゴーン社長は「日産は、持続可能なクルマのある社会を包括的に実現することに取り組んでいる。今回のバッテリー工場の建設開始は、米国における『グリーンエコノミー』の実現にとって大きな一歩である。スマーナでリチウムイオンバッテリーを生産することにより、米国は、エネルギー自給率の向上、環境に優しい仕事の創出、自国での生産維持という方針の実現に一歩近付くことになるだろう。スマーナ工場は生産革新の世界的リーダーであり、今回着工する最新のバッテリー生産設備は、その伝統を引き継ぐものとなるだろう」と語った。

 テネシー州のフィル・ブレーデセン知事は「テネシー州は、米国においてクリーンエネルギー革新を推進するリーダーとなった。日産の先進的なバッテリー工場の建設はこの中核となるであろう。日産はテネシー州への投資を20年以上前から行っており、今回の新たな生産工場は、『志願兵の州』(訳注:テネシー州の愛称)において、次世代の自動車およびクリーンエネルギー産業関連の雇用に新たな道を開くものである」と、述べた。

 バッテリー工場の建設および既存のスマーナ工場における「日産リーフ」生産などに関わる投資額は最大17億米ドル(約1535億円)となり、当面は米エネルギー省から14億米ドル(約1264億円)の融資を受けて行われることになる。

 本融資は同省の融資保証プログラムオフィスが考案したもので、2007年エネルギー自給・安全保障法に基づいて米連邦議会により認可された総額250億米ドル(約2兆2576億円)の融資プログラムである「先進技術を利用した自動車生産への融資制度」の一環として実施されている。本融資プログラムは、米国のエネルギー自給率を上げ、より環境に配慮した輸送手段を提供し、同国の経済を活性化させる車両および技術の開発促進を目的としている。

 手頃な価格の量産型ゼロ・エミッション車である「日産リーフ」は、2010年12月より、米国、日本、欧州にて販売を開始する。当初は、座間のバッテリー工場で生産されるリチウムイオンバッテリーを搭載した車両を追浜工場で生産することになる。 ルノー・日産アライアンスは、リチウムイオンバッテリーの生産を、ポルトガルのカシア、英国サンダーランドおよびフランスのルノーフラン工場でも行うことを発表している。


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