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東芝、白熱電球の製造終了 120年の歴史に幕

 東芝は17日、子会社である東芝ライテック鹿沼工場で製造してきた一般白熱電球103機種の製造を終了した。日本で初めて白熱電球の商品化に成功し、最盛期には年間7800万個を生産していた。しかし、長寿命化など省エネ性に優れたLED電球などへの需要高まりから、その立場は取って代わられ、120年間の歴史に幕を閉じた。

 1890年に東芝の創業者のひとり、藤岡市助氏が日本で初めて白熱電球を製造するために「白熱舎」を設立。日産10個程度でスタートした白熱電球事業は、最盛期(1973年)には年間生産量7800万個にまで拡大し、現在までに累計40億7000万個を生産している。

 一方で、オイルショックを契機とした省エネ意識の高まりを受け、1980年に世界初の電球形蛍光ランプ(ボール形)を開発。白熱電球からの置き換えを進めるため、小形化、省エネ化、長寿命化など性能向上に取り組んだ結果、普及が進み、一般白熱電球の生産量は2000年頃から減少に転じた。また、近年では地球温暖化防止に向けた省エネの需要が更に高まってきたことから、2007年から実用的な明るさのLED電球を商品化、白熱電球からの置き換えを進めている。

 このため同社では、CO2削減なども含め、08年に、一般白熱電球の製造中止を決定。これをもとに当初の計画から1年前倒しし、2010年3月17日をもって、製造を終えた。同社の試算では、年間約2000万個(輸入分を含む)の白熱電球を出荷していた2008年に比べ、年間約43万トンのCO2削減に貢献できるものと推定している。

 ミニクリプトン電球やハロゲンランプ、反射形電球など、現在のLED電球や電球形蛍光ランプに置き換えることが難しい特殊電球については当面製造を継続する予定だが、今後もLED照明をはじめとした代替商品の開発を加速し、白熱電球からの置き換えを進めていくとしている。

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