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過剰債務の貧困層が増大、オイコクレジットが行動計画

 【マニラ8日PRN=共同JBN】過剰債務を抱える困窮企業家の脅威が大きな現実となっており、急速に拡大しているマイクロファイナンスにとっては真の脅威となっている。オイコクレジットの年次スタッフ・幹部会議で、約70カ国で運営にあたっている地域担当マネージャーは、マイクロファイナンスの過剰債務率に懸念を表明した。現場の担当者は過剰債務の訴訟が前より増えている事態に直面している。オイコクレジット幹部およびスタッフは緊急行動が必要であることで合意し行動計画を策定した。

 マイクロファインスは驚異的な速さで成長した。マイクロファイナンスによって、貧しい人々および小企業家がこれまで利用不可能だった金融サービスを受けいれられるため、マイクロファイナンスの発展は称賛されてきた。マイクロファイナンス組織(MFI)は、財政的に持続可能なものに拡大しなければならない。そのため、マイクロファイナンス組織は規模を追求するとともに、より多くの顧客に働き掛ける。一部のケースでは、これによって競争の激化につながり、マイクロファイナンス組織が同じ地域の同じ顧客に接触するという事態に陥る。オイコクレジットの地域担当ディレクターは、2、3カ所あるいは5カ所の異なったマイクロファイナンス組織からローンを抱える顧客の実態を報告した。顧客の過剰債務と悪質債権取立て行為は往々にして、こうした多重貸与の結末となり得る。

 社会的組織としてのオイコクレジットは、マイクロファイナンス産業とマイクロファイナンス利用の顧客にとって、こうした展開によって生じる結末を極めて懸念している。オイコクレジットのマネージング・ディレクター、トー・ガル氏は「貸付は返済が可能な限り、貧困から脱出する足掛かりとなる。もし返済が乗り越えられない負担となれば、顧客は過剰債務者となる。われわれはマイクロファイナンス組織と顧客がこのわなに落ち込むことを望まない。資金提供する組織は極めて重大な責任を負っている」と語った。

 オイコクレジットの幹部およびスタッフは、この後ろ向きの動きを是正するために以下のような措置を講じることを決めた。

 1.世界にある33の事務所のオイコクレジットの現場スタッフは、この懸念を共有するために、オイコクレジットが現在融資している450を超えるマイクロファイナス組織とこの問題を話し合う。彼らは過剰債務を緩和ないしは防止する選択肢を検討する。

 2.オイコクレジットがMFIに対して融資する国々では、地域スタッフが中南米、アフリカ、アジア、東欧州の有力な全国組織・国際組織、ネットワークと接触する。競争で生じる否定的な結果は、全国レベルおよび共同イニシアチブを通じて効率的に解決する。

 3.オイコクレジットはこの問題解決のため、社会的な志向がある他の投資家と協力して対処する。

 これらの措置によって、われわれは貧困軽減に取り組む組織および投資家の間での議論を活性化することを目指し、過剰債務の潮流を覆す。

 ▽オイコクレジット(Oikocredit)について
 オイコクレジットは、社会的な効果を目指して開発途上国のマイクロファインス組織、協同組合、中小企業に対して融資と投資を行う協同組合法(オランダ)上の金融組織である。詳細な情報についてはウェブサイトhttp://www.oikocredit.orgを参照。


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