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ユースモービルへの設計者コンペ、自動車メーカーが競う

 【ロサンゼルス4日PRN=共同JBN】自動車は時なしにショッピングモールを訪れる若者たちの社会生活で重要な役割を果たし、それは自己表現の手段として、さらに重要なことは友人と交流するため欠かせないツールとしての役割を果たしてきた。今日のコミュニケーション・テクノロジーは、接続の仕方とおそらく若者の生活に果たす車の役割すら変える。

 南カリフォルニアにある自動車メーカー各社の設計スタジオは、携帯電話やオンラインコミュニティー、ウェブ画像で育ってきた新しい世代のドライバーが、2030年にどのような車両を求めているか思いを巡らす。

 アウディ、GM、ホンダ、マツダ、日産、トヨタの設計スタジオは21年先の将来に手を伸ばし、2030年の若者向けの車「ユースモービル(Youthmobile 2030)」にそれぞれの解釈を加えて設計した。その設計は形状、色、素材を変えることができるヒトDNAを取り入れる車両から、ドライバーが通学に一緒に利用するだけでなく音楽をやり取りし授業日程を比べ合う大量輸送システムにつながる車両まで多岐にわたる。

 第6回年次デザイン・チャレンジに応募した設計はサンフランシスコ・アカデミー・オブ・アート大学の工業デザイン学部長俣野努氏、デトロイトのカレッジ・フォー・クリエーティブ・スタディーズのイムレ・モルナー学部長、パサデナのアート・センター・カレッジ・オブ・デザインのスチュアート・リード教授(輸送機関設計)、イレブン社社長で電気・プラグインハイブリッド/電気自動車「アプテラ」設計者のジェイソン・ヒル氏によって審査される。受賞者はロサンゼルス・オートショー会場で12月3日に発表される。

 「デザイン・ロサンゼルス」のディレターでデザイン・アカデミー社のパートナーであるチャック・ペリー氏は「自動車設計者は常に次世代ドライバーに夢中になっており、今年のデザイン・チャレンジは彼らに新たな見る目でコンセプトカーをもう一度見直し、若者の求めるものを探求、充足する最新の技術を使って創造の才を発揮してもらう機会を与えた」と語った。

 今年の「ユースモービル2030・デザイン・チャレンジ」の登録は以下のメーカーが含まれている。

 アメリカ・デザイン・センター・カリフォルニアのフォルクスワーゲン/アウディ:アウディのeOraとeSpiraは自由と時代の訪れにアクセスする表現である。滑空するスキーヤーのように、eOraはドライバーの動きと意志に常に適応しながら正確に高速道路の景観をカーブする。eSpiraは次世代の車両制御ロジックを使って、ドライバーの極めてわずかな動きとジェスチャーを考慮して車両と同期することで、今までになく機敏に対応することができるようになる。

 GMアドバンスド・デザイン:カー・ヒーロー(Car Hero)は運転をゲームに変え、自動車の自律システムに対するドライバーの技量に挑戦する。ドライバーがスマートフォンのナビアプリケーションに目的地を入力すると、車両に対してシステム上の完ぺきな制御ができてプレーすることができ、一段と斬新な運転シナリオにアクセスすることができる。

 ホンダ北米研究開発:ホンダ・ヘリックス(Honda Helix)はヒトゲノムから得た知識を利用して、個性化とドライバーが時間とともに車に接続する仕方を再定義する。ヘリックスは適応ポリマーでヒト DNAを取り込み、車の形状、色、素材を変えることができる。3軸の動きによって特定の環境と交通パターンへの適応と反応が可能になる。

 マツダ北米R&D:マツダ・ソウガ(Mazda Souga)は個人ブランド化の典型である。若い世代の起業家は、設計プレーグラウンドとして機能するバーチャルリアリティーのウェブサイトVMazda で自分の車を組み立てることができる。バーチャルデザイン・メンターの助けを得て、それぞれの車が安価で環境に優しく真にドライバー重視になるよう保証される。

 日産デザイン・アメリカ:V2Gは環境に何らの影響も与えない日産の2030年向けの通勤用電気自動車である。ダイナミックなスタイルと質の高い組み立ての結合によってこの種で最高の電気マシンを生み出し、それは所有者のニーズと希望にフィットするよう変更可能である。

 トヨタ・キャルティ・デザイン・リサーチ:トヨタのリンク(LINK)は学生向けにカスタム化された大量輸送車両であり、輸送ソーシャルネットワークにシームレスにリンクする。リンク・スキンズ(LINK SKINZ)は車両の形状を個人化された外部デザインにデジタル変換してダウンロード可能にする一方、誘電素材製のホイールであるリンク・スフィアズ(LINK SPHERES)がタイヤ摩擦をバッテリー再充電用のエネルギーに変換する。

 ▽デザイン・チャレンジについて
 デザイン・チャレンジは毎年開かれるデザイン・ロサンゼルス自動車設計者会議の一環であり、今年は12月2、3両日のロサンゼルス・オートショーのプレスデー期間中に開催される。過去6年間、デザイン・チャレンジの新しいテーマが選ばれ、有力な南カリフォルニア・オートモーティブ・デザイン・スタジオがその才能を示し、自動車設計の新しいアイディアを探求するため競い合う。デザイン・ロサンゼルス・カンファレンスはまた、設計者たちに業界リーダーと接触してもらい、共通する業界諸問題に対応する機会を提供する。


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