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イタリア高級紳士服のブリオーニ、中国・中東進出を計画

 【ローマ8日PRN=共同JBN】イタリア高級紳士服グループのブリオーニは6日、ほぼ前年並みの2008年度連結売上高を発表し、同時にアンドレア・ペローネ氏を同日付でグループ最高経営責任者(CEO)に任命することを明らかにした。

 ペローネ氏はここ3年間アントネラ・デ・シモーヌおよびアントニオ・ビアンキーニの両氏を共同マネジングディレクターとした3人の運営委員会に取って代わる。この体制は過去10年間にわたる管理体制だった。

 同社の2008年度の業績は売上高がほぼ2007年度並みの2億700万ユーロだった。同社は2009年9月から2010年末までのアジアと中東での新規出店を含む野心的な拡張計画を承認した。

 ペローネ氏は「当社事業が2008年も引き続き好調だったことに大変満足している。2009年に直面する困難な問題(特に北米)は十分に認識しており、自信と一貫性を持って世界的な経済低迷に対応できる立場にある」と語った。

 ブリオーニの共同創設者ガエタノ・サビーニの孫である39歳のグループCEOは、イタリア中部アブルッツォ地方にある同社工場でブリオーニスーツを手作りしているブランド職人のテーラー1200人の監督をはじめ、社内で下積みからたたき上げて今日の地位を築いた。

 ペローネ氏によると、ブリオーニの2008年グループ連結売上高はEBITDA(金利・税金・償却前利益)ベースで2億ユーロ、グループ利益は3200万ユーロと前年比わずか3%の減少だったが、各分野の平均減少率は大体2けた台だった。

 同氏は「今年度は引き続き付加価値の付いた質的生産とカジュアルウエアに専念する。100%『イタリア製』の方針を持続することは本国での雇用を維持するだけでなく当社のノウハウも保護する。また、そうすることにより高級イタリア・ブランドとしてのブリオーニの優秀さと独自性が保たれるため、われわれは今後数年間十分な配当が支払えると考えている」と語った。

 また、ブリオーニは2009年9月から36カ月間で上海、北京、そのほか中国全土の幾つかの場所で事業を拡大する野心的な計画も発表した。ペローネ氏は「中国はブリオーニにとって最優先事項だ。なぜならば中国の新興ビジネス、政界のエリート層は『イタリア製』製品の優秀さと高級紳士服におけるブリオーニの品質と独自性をますます評価しているからだ」と語った。

 また、同社は既存のドバイ、アブダビの店舗に加えて石油ベースの経済のおかげで消費者の急速な増加が期待できるバーレーン、カタール、ベイルートにも新規店舗を開設することを明らかにした。

 ペローネ氏は「われわれは3年前にインド、中国、マレーシア、シンガポール、インドネシアを含めアジアと中東で新たな収入源を生み出す広範な商業戦略を策定することを決めた。われわれはアジアと中東で依然として成長を続けており、中国に特別重点を置き始めている」と語った。

 過去18カ月間、ブリオーニは国際的拡大戦略を追及しロシア、カザフスタン、アゼルバイジャン、マレーシア、香港、中国、韓国、インドネシア、インド、アラブ首長国連邦(UAE)、フランス、米国で新店舗を開設した。

 また、同社は欧州のエリート層に対する信頼感の象徴としてバルセロナ、ベニス、デュッセルドルフ、ハンブルクに店舗を開設する計画である。ペローネ氏は「不況にもかかわらずわれわれにはスイス、ドイツ、オーストリアといったドイツ語を話す国を含め、ブリオーニの現代服装エレガンスに熱心な欧州の富裕な消費者の間に忠実なファンがいる」と語った。


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