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先行き楽観強まり株式投資活発に、メリルリンチ調査

 【ニューヨーク、ロンドン20日PRN=共同JBN】メリルリンチが20日に発表した5月のファンドマネジャー調査によると、今後12カ月間に世界経済が改善すると予想する投資家は10人のうち7人とグローバル市場の強気の見方は新たな高みに達した。

 企業利益に対する強気の期待感に支えられてポートフォリオマネジャーは資金を活用するため行動で楽観的見方を支持している。現金保有比率は4月の4・9%から4・3%に低下した。株式はアンダーウエイトだが回復期にはベストのパフォーマンスが期待できる循環株を中心に比較的人気があった。投資家は昨年8月以来、初めて債券でネットアンダーウエイト・ポジションに移行した。中国経済に対する投資家の楽観論が過去6年のいかなる時点よりも強いため多くは新興市場に向かっている。

 バンク・オブ・アメリカ・セキュリティーズ―メリルリンチ・リサーチ国際投資戦略共同責任者のマイケル・ハートネット氏は「投資家はついに財布のひもをゆるめ株式、循環株、リスク資産を購入するため現金残高を中間レベルまで減らし始めた。しかし、新興市場を中心としたこのリスクを取ろうとする急激な動きはバブル期の行動を思い起こさせる。過去最高となるファンドマネジャーのネット40%は今後12カ月間にこの地域でオーバーウエイト・ポジションを取ろうとしている」と語った。

 バンク・オブ・アメリカ・セキュリティーズ―メリルリンチ・リサーチ国際投資戦略共同責任者のゲーリー・ベーカー氏は「投資家は今月、金融株に回帰することにより最も緊急な優先課題に取り組み、循環株と実体経済株へのエクスポージャーを高め防衛的なオーバーウエイトのポジションの比重をさらに低下させた」と語った。

 ▽欧州のセンチメントとグローバル利益見通しの明確な転換
 グローバル経済に対するセンチメントは、投資家のネット60%が暗い先行きを予想していた2008年10月の陰鬱な日々から完全に方向転換した。5月の調査ではネット57%が今後12カ月間に経済は良くなると回答しており、その比率は4月の26%から上昇した。

 経済見通しの逆転が最も顕著な地域は欧州である。地域別ファンドマネジャー調査に対する回答者のネット35%は、欧州の経済が来年良くなると予想している。ネット26%が経済はさらに悪化すると予想した4月とは著しい対照をなしている。

 投資家は、ネット18%が今後12カ月間でグローバル利益の見通しが改善すると回答するなど企業利益について突然、強気の見方をするようになった。これはネット12%が利益について弱気だった4月と比較すると大きな変わりようである。

 ▽中国経済楽観論の高まりでリスク選好復活
 株式選好の高まりは新興市場に集中している。投資家のネット46%は新興市場株式にオーバーウエイトのスタンスを取っており、その比率は4月のネット26%を上回っている。中国経済に対する強気の見方は中国を調査対象に入れた2003年以来、最高の水準に達している。昨年11月、回答者のネット61%は経済が改善すると見ていたが、ネット87%は中国経済が弱まると予想していた。

 防衛的投資から循環株へのシフトは続いている。回答者は景気後退時のお気に入りの分野、製薬株に対し2005年初頭以来、初めてアンダーウエイト(ネット2%)のスタンスを取った。4月はネット21%のオーバーウエイトだった。また、投資家は食糧、電気通信、公益事業関連の保有株を減らし、エネルギー、素材、工業株の保有比率を高めた。彼らは引き続き銀行株への資金投入を増やし、ネットアンダーウエイト・ポジションを2007年6月以来の最低まで引き下げた。

 しかし、これほど楽観的でない調子でアセットアロケーターは今後株式を十分取り入れる必要がある。アセットアロケーターは依然として世界的に株式にはアンダーウエイトである、特に日本、ユーロ圏、英国では。ハーネット氏は「ファンドマネジャーの再充電した楽観論にアセットアロケーターは十分に対抗していない。市場の1つの上方リスクは、より多くのアセットアロケーションが現金と債券が株式に移動することである」と語った。

 ▽ファンドマネジャー調査
 総額6170億米ドルを運用する合計220人のファンドマネジャーは、5月8日から14日にかけて行われたこのグローバル調査に参加した。3550億米ドルを運用する合計182人のマネジャーは地域調査にも参加した。調査はロンドンを本拠地とするグローバルな市場調査会社テイラー・ネルソン・ソファーズ(TNS)の助力を得てバンク・オブ・アメリカ・セキュリティーズ―メリルリンチ・リサーチが実施した。TNSは50カ国余りの国際ネットワークを通じて80カ国以上で市場情報サービスを国内、国際組織に提供している。同社は世界第4位の市場情報グループとランク付けされている。

 ▽バンク・オブ・アメリカについて
 バンク・オブ・アメリカは世界最大級の金融機関で、あらゆる銀行業務、投資活動、資産運用、その他の金融・リスク管理商品とサービスを個人顧客や中小企業、大企業に提供している。同社は6100以上の小口金融を扱うオフィスと約1万8500台のATM、およそ3000万の人々が実際に利用する受賞歴のあるオンライン銀行業務を通じて、約5500万の消費者および中小企業と取引関係を維持し、米国で比類のない利便性を提供している。バンク・オブ・アメリカは世界有数の資産運用企業で、広範な資産クラスにわたる企業金融と投資銀行業務・取引のグローバルリーダーとして、世界の企業、政府、機関、個人を対象とするサービスを提供している。バンク・オブ・アメリカは革新的で使い勝手の良い一連のオンライン商品とサービスを通じて400万以上の中小企業オーナーに対して業界をリードするサポートを提供している。同社は150カ国余りの顧客にサービスを提供している。バンク・オブ・アメリカ・コーポレーションの株式(NYSE:BAC)はダウ・ジョーンズ工業株平均の構成銘柄であり、ニューヨーク証券取引所に上場されている。

 「バンク・オブ・アメリカ・メリルリンチ」はバンク・オブ・アメリカ・コーポレーションのグローバル銀行業務とグローバルマーケットビジネス用のマーケティングネームである。融資、デリバティブ、その他の商業銀行活動はFDIC(米連邦預金保険公社)会員のバンク・オブ・アメリカN.A.を含めバンク・オブ・アメリカ・コーポレーションの系列銀行が行う。証券、金融顧問、その他の投資銀行活動は、FINRA(米金融取引業規制機構)とSIPC(米証券投資者保護公社)のブローカー/ディーラーおよび会員として登録されているバンク・オブ・アメリカ・セキュリティーズLLCやメリルリンチ・ピアス・フェナー&スミス・インコーポレーテッドを含め関連投資銀行(「投資銀行関連会社」)が行う。投資銀行関連会社が提供する投資商品は「FDICの保険はなく、価値を失うかもしれないし、銀行が保証するものではない」。

 www.bankofamerica.com


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