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米ゼタコア社、初の分子界面技術を発表

 【デンバー、京都16日PRN=共同JBN】分子エレクトロニクスのデベロッパーである米ゼタコア社(ZettaCore, Inc.)は16日、分子界面(モレキュラー・インターフェース、MI:商標)技術(以下MI技術)を発表した。このMI技術は、ナノレベルの分子エレクトロニクスに基づく処理技術を利用することにより、コスト高の原因となる新材料や新プロセスを導入することなく、半導体パッケージやPCBの多層化とインターコネクト密度の向上を可能にする。

 システムレベルのインターコネクトは、半導体機器やデジタルシステムのスケーリングのボトルネック。ゼタコアのMI技術によって、表面粗化(ラフニング)をすることなく絶縁体に銅線を形成させたり、銅線上に絶縁体をラミネート(積層)したりすることが可能となるため、表面粗化がライン/スペース特性向上の妨げとなる高性能のIC基板、HDIボード、高速ボード、フレキシブルプリント基板、ウエハーレベル・パッケージング等で、従来の材料やプロセスを使いながらシグナルインテグリティーを向上することができる。

 ゼタコア社と味の素株式会社は京都で行われる国際電子パッケージ会議(ICEP:International Conference on Electronic Packaging、2009年4月14-16日)に参加する予定で、PCB基板表面の分子変換を利用した基板メーカー向けのシームレスなソリューションを発表する予定。

 味の素株式会社で半導体パッケージやPCBに使用される素材事業を担当するアミノ酸カンパニー化成品部の櫻井孝男部長は「ゼタコアのMI技術によって、IC基板製造インフラの大きな変更をせずに、より優れたライン/スペース設計ルールを実現する能力が得られる可能性が高い。MI技術により、既存のGX-13材料を生かしながら従来の表面粗化技術では不可能だったインターコネクトジオメトリーを実現できる。表面粗化処理を行わないため、表皮効果に伴うロスは最小限になり、システム性能改善が期待できる。われわれはゼタコア社との協力を続けたいと考えている」と語っている。

 ゼタコア社のスリニバス・ニマガッダ副社長(ビジネス開発担当)は「味の素株式会社のGX-13ビルドアップ樹脂は、フリップチップIC基板で支配的な市場シェアを持っている。顧客はゼタコアのMI技術とGX-13材料を使って、10マイクロン、そしてそれを更に微細化するライン/スペース設計ルールを実現することができる」と述べた。

 ▽ゼタコア(登録商標)について
 ゼタコア社(ZettaCore, Inc.)は半導体などのエレクトロニクス製品で使われる分子技術のデベロッパーである。同社は分子技術と電子工学を融合し、分子界面材料、エネルギー保存素子、半導体メモリーなどの開発を行っている。基板メーカー顧客はゼタコア社の分子界面材料製品を使用することにより、優れたライン/スペースを実現し、IC基板や高速ボードの表皮効果による損失を軽減することができる。
URL:http://www.zettacore.com


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