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エナージェニクス、セリオンに出資&共同開発

 【シンガポール10日PRN=共同JBN】シンガポールに本社を置く代替エネルギー・ソリューション、技術の供給会社、エナージェニクス(Energenics)はセリオン・エナジー(Cerion Energy)の400万米ドルのシリーズB出資ラウンドを主導する50万米ドルを出資した。Bラウンドは2009年5月31日に完了の予定である。

 すでに実行されている了解覚書に従って、エナージェニクスとセリオンは燃料効率を高め、有害な温室効果ガスの排出と窒素酸化物(NOx)、ディーゼル粒子状物質(DPM)のような健康を脅かす化学物質を減らす「第3世代」の燃料添加触媒ファミリーを共同開発するため、研究開発の専門知識をプールしている。

 粒子単位で100万分の5以下の濃度でディーゼル油に添加する先進的なセリウム酸化物のナノ粒子はセリオンが開発した。この二酸化セリウム粒子は燃料添加剤として使われている既存の二酸化セリウム・ナノ触媒に比べ最大40倍の反応を示す。

 セリオンの二酸化セリウム粒子の熱力学的、動的特性は独立して制御することができ、粒子サイズの反応性の限界まで下げることができる。セリオンは前例のないレベルの粒子サイズの制御と燃料添加触媒として配備するための表面活性のデモンストレーションを行った。

 セリオンの新しい二酸化セリウム粒子と、オーストラリア・パースのアンタリア社との独占供給協定によってエナージェニクスに供給されているエナージェニクスの現在の二酸化セリウム粒子のマルチ粒子効果を結合させるフォーミュレーションは入手可能である。

 これらの「第3世代」燃料添加触媒はすでに商業的な量で入手可能であり、セリオンのニューヨーク州ロチェスター工場の製造能力は年間に約50億ガロンのディーゼル油に使うのに十分な添加剤を生産している。さらに、セリオンの販売子会社セリオン・ガルフは米国東南部の主な将来の顧客数社との初期の実施テストを完了する最終段階に入っている。

 エナージェニクス、セリオン両社が行ったテストのデータは、燃料効率の向上と排ガスの減少を示している。両社による長時間にわたる研究所でのエンジン・テスト(数千時間)のデータと路上テスト(数百万マイル)のデータは、これらのディーゼル添加剤が燃料効率を8-15%高め、温室効果ガスを最大15%、NOxを8%、DPM(すす)を30-40%減らすことを示唆している。これらの新しい添加剤は商業的に入手できる既存の「第1世代」セリウム酸化物の燃料添加剤より大幅にすぐれている。

 ディーゼル、ガソリン、エタノール、バイオディーゼル、石炭などのための燃料添加触媒で協力するほかに、エナージェニクス、セリオン両社は、双方の技術経験、専門知識を結合すればグリーン代替エネルギー・ソリューションの開発に大きな影響を及ぼせるセルロース・エタノール生産などの分野でビジネスチャンスを探っている。また、両社は輸送関連の温室効果ガス削減というエナージェニクスが2年にわたって積極的に関わってきた分野での製品利用から生じるカーボン・エミッション・クレジットで世界クラスの取引サービスを開始することも検討している。

 エナージェニクスのローネン・ハザリカCEOは「セリオンとエナージェニクスの共同努力で燃料添加触媒に飛躍的な技術の前進が可能になったのは大変うれしい。私が最初に開発し、2001年にオクソニカ社にライセンス供与した技術は彼らの手で根本的に進展し、セリオンが2008年に積極的、集中的に推進した開発計画は2009年初めに利用可能な第3世代添加剤を生み出した。この技術の恩恵を第1世代添加剤のユーザーだけでなく、既存の米国の優良輸送企業顧客を含む新たな顧客にも示せることに興奮している。さらに、この先進技術は、セリウム酸化物燃料添加触媒粒子が初めて特定の顧客のアプリケーション、ニーズに適した特性を最大化するように調製できるということを意味している」とコメントしている。

 セリオン・エナジーのミック・スタドラー会長兼CEOは「エナージェニクスと戦略的パートナーとなるのはうれしく、協力して新世代のグリーンな代替エネルギー製品をつくり出す機会を歓迎する。さらに、米国、アジア・太平洋における同社の顧客基盤の成長はわが社のディーゼル燃料添加触媒の販売を2009年の早い時期に開始できるユニークな機会をわが社に与える」とコメントしている。

 セリオンの始まりはロチェスター工科大学(RIT)の起業ビジネス・インキュベーター、ベンチャー・クリエーションで、同社は2007年7月にベンチャー・クリエーションから分離独立した初めての企業である。セリオンは材料科学分野でRITとの提携を続けており、理学部(化学、物理、カールソン画像科学)、工学部、総合製造研究センターのいくつかの主要学科と契約、コンサルティング提携関係を結んでいる。

 ▽エナージェニクス(Energenics)について
 エナージェニクスは代替エネルギー・ソリューション、技術の供給会社で、ゼロないし最低限の資本コストでエネルギー使用、ガス排出削減を提供する切り替え型、段階型の更新可能な燃料計画へのアクセスを顧客に提供している。本社はシンガポールにあり、内部開発や技術パートナーからのライセンス供与による革新的な技術を使って輸送会社ユーザーにターンキーのバイオ燃料・エネルギーの効率的なプロジェクトを提供する市場リーダーの座を急速に占めつつある。ハザリカ氏は、ヌフテク社が所有し現在はエナージェニクスにライセンス供与されている燃料添加触媒として使われるコーティングされたセリウム酸化物に関する特許技術の発明者である。2008年に英高等法院はオクソニカ・エネルギー社が提起した主張に関連して、ヌフテクのライセンス権保有を認めた。

 ▽セリオン・エナジー(Cerion Energy)について
 セリオンの「コア・コンペテンシー(Core Competency)」は超低コスト、高収量で小さな(2-20ナノメートル)単分散のナノ粒子を大量生産できる能力である。このナノ粒子の構造は操作可能で、その化学組成「ラティス・エンジニアード(加工格子)」と表面は水性、有機媒体の親和性に応じて機能化できる。セリオンの目標は技術的に最も先進的で「グリーン」な代替エネルギー・ソリューションと技術の有力な開発会社、供給会社になることである。セリオンは一連の企業を興した起業家のミック・スタドラー氏と、セリオンの技術プラットフォームの発明者であるケン・リード氏が共同で創立した。スタドラー氏は35年に及ぶ事業経歴の中で60社以上の大学系列企業の設立、資金調達と約750のライセンス、ベンチャー協定の交渉に関わった。リード博士は物理化学者で、スタンフォード大学から物理学博士号を受け、反応化学とナノ粒子、マイクロエマルジョンの沈殿を中心にコダックの研究所で約30年の経験を持っている。リード博士の研究は24の特許をもたらし、コダック優秀発明者ギャラリーに迎えられた。
 http://www.cerionenergy.com
http://www.energenics.org


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