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5年以内にプロダクト・センター開設へ、WPCタワー完成で発表

WPCタワー
WPCタワー(写真・共同通信PRワイヤー)
 【ニューヨーク21日PRN=共同JBN】21日、国際ヘルスケア産業における常設のマーケットと教育センターの機能を兼ね備える「ワールド・プロダクト・センター(WPC)」が、5年以内に開設されることが発表された。今回の発表は、マンハッタン中心部に位置するWPCタワーが完成し、マーケティングが開始されたことに伴い、このWPC開設プロジェクトを推進する複数の主要人物が明らかにした。WPCは既に、米国を代表する不動産開発業者であるエクステル・デベロプメント社(Extell Development)との合意書に署名し、また業界をリードするヘルスケア・サービス会社であるGNYHAベンチャーズ社と合弁でマーケティング会社を設立した。なお、GNYHAベンチャーズ社はグレーター・ニューヨーク病院協会(Greater New York Hospital Association)の事業子会社。また、この合弁マーケティング会社の新社長には、ヘルスケア関連商品の共同購入サービスを提供する年商48億ドル企業であるコンソータ社(Consorta)の前社長兼最高経営責任者(CEO)であるジョン・ストロング氏を指名したことも明らかにした。WPCでプレジデントを務めるイスラエル・グリーン氏「この刺激的な試みを推し進めているところだ」と語っている。

 ワールド・プロダクト・センター(WPC)は、カスタムメイドにより建設された60階建て150万平方フィート(約4500平方メートル)のタワーにあり、マンハッタンの中心ミッドタウン地区(555 West 33rd Street)に位置している。ここから、ヘルスケア産業におけるサプライヤーやプロバイダーに向けて、それぞれの企業が持つ業務上や教育上のニーズに対応していく。WPCには、グローバルなヘルスケア産業における主な専門分野を代表する企業が参加しており、これには医療機器や診断法、技術、薬事、ヘルスケアサービスなどの分野が含まれる。そして、グローバルベースで見た医療機器の売上高だけでも、年間3360億ドルが見込まれています。

 ヘルスケア産業において25年を超える豊かな経験を持ち、GNYHAベンチャーズ社で社長を務めるリー・H・パールマン氏は「ワールド・プロダクト・センターは、ヘルスケア市場において進化し続けるニーズに対して直接に応えようとするものだ。病院や長期療養施設、その他のヘルスケア機関が抱える、経費削減と品質の向上というプレッシャーは強まる一方であり、そのような環境の中でヘルスケア・プロバイダーは最新技術から取り残されることなく、十分な情報の中から購入について判断しようと日々格闘している。さらに、以前は容認されていたサプライヤーが(バイヤーに)提供する旅行などの慣例が、最近では倫理的配慮から自粛傾向にある。WPCは、これらすべての課題の解決する手段にもなる。便利で、コスト効率が高く、透明性のある新たな環境を提供することで、バイヤーとサプライヤーが結集し取引する環境を実現するからだ」と説明している。さらに同氏はWPCのロケーションについても言及し「米国におけるティーチング・ホスピタル(専門分野の研修医が研修を行う病院)の40%がニューヨーク市から車で12時間以内の場所にある」と付け加えた。

 2008年10月1日付けでワールド・プロダクト・センターのマーケティング活動に向けた合弁会社社長に任命されたジョン・ストロング氏は「WPCは、私の35年間に及ぶヘルスケア産業における経験の中でも、最も独自性が高く刺激的で画期的なプロジェクトだ。ヘルスケア産業におけるあらゆる企業や組織に対して、パートナーシップを育みコラボレーションを生み出せるダイナミックな商業環境と、ヘルスケア関連の教育プログラムの強化に向けたリソースを提供することになる。これは、他に類を見ないまったく新しいコンセプトだ」と述べた。WPCの営業・マーケティング業務を率いる同氏には、5人の優秀なヘルスケア・エグゼクティブがサポートにあたることになる。ソデクソ・マリオット社(Sodexo Marriott)のヘルスケア部門の前部長であるアンソニー・アリブリオ氏、コア・コンサルティング社の社長でありヘルスケア産業の第一人者であるダイアン・アップルヤード氏、BJCヘルスケアの前プレジデント兼CEOであるフレッド・ブラウン氏、モダン・ヘルスケア誌の前発行者であるチャック・ラウアー氏、そしてプレミアの設立者であり前プレジデントであるアラン・ウェインスタイン氏の5人である。

 ワールド・プロダクト・センターは、ビジネス、コミュニケーションおよび教育に関する最新のリソースを提供することで、ヘルスケア事業をサポートする。カトリック・ヘルスケア・ウエスト(本部カリフォルニア州サンフランシスコ)のプレジデント兼CEOであるロイド・ディーン氏は「常設ショールームと教育センターを設立するというアイデアは、その時が確実に来たということを示している。WPCでは透明性の高い環境で教育と商品の評価が両立できる。完成を心待ちにしている」と述べた。カトリック・ヘルスケア・ウエストは、米国で8番目に大規模な病院システムであり、カリフォルニア州最大の非営利病院向けプロバイダーである。WPCの施設内には、最新鋭の常設ショールームや、会議用設備、教育用設備、メディアセンターに加えて、従来のワークスペースも完備されている。WPCタワーにはさらに、学生や観光客、ヘルスケア関連商品の消費者など一般に向けたコンシューマー・ヘルス・パビリオンが入っている。このパビリオンでは、ガイドツアーやインタラクティブ・フォーラムを開催し、また健康や病気の予防に関する知識の増強を支援するための様々な情報を提供していく。さらに、ヘルスケア産業でのキャリアを考える人々にも関連情報を提供する。またWPCの技術面については、世界最大の技術系企業であるヒューレット・パッカード社 (HP)が担当し、特定のベンダーに依存しないベンダー中立の技術インフラを設計している。HP社におけるWPC担当者であるトム・ティラー氏はこの技術インフラを、「最先端技術により、これまでに開発された中で最もスマートな建物をサポートする」と説明している。

 教育及びカンファレンス向けスペースについては、現在のところ12万平方フィートを使用する予定。これには、2階499席を収容する完全にデジタル化された講堂が含まれている。医療機器メーカーや製薬会社、ヘルスケア機関、さらにはWPC自体も、著名な専門家による講義やヘルスケア関係の教育プログラムなど様々なイベントを提供していく見込み。セント・ジョーンズ・リバーサイド・ホスピタルの院長兼CEOであり、グレーター・ニューヨーク病院協会(GNYHS)の委員長を務めるジェームズ・フォイ氏は「プロバイダー・コミュニティと医療機器メーカーを集結させるというWPCの役割は、生産性の向上を図り、薬剤師や病院に教育を提供するための、大きな一歩となるだろう。また、バイヤーや主要な意思決定者を惹きつけることが可能なため、ヘルスケア商品のベンダーにとっては、販売までの時間を短縮し、経費を削減できるというメリットがあるだろう」と語っている。

 現時点において、株式を公開している大手ヘルスケア企業などを含む医療関連商品のサプライヤーの中で、自社の商品やサービスを常に展示できる場所をニューヨーク市内に確保できている企業はほとんどない。ニューヨーク市の経済開発担当副市長であるロバート・C・リーバー氏は「私たちが今後新たな分野へと支援の手を広げ、国際的なヘルスケア産業やバイオサイエンス産業など大きな成長が見込める産業をサポートしていく中で、ワールド・プロダクト・センターは、ニューヨーク市が現在取り組んでいるバイオサイエンス・イニシアチブを大きく補完する役割を果たすだろう。WPCは、世界で最も重要なヘルスケア市場の一つであるこのニューヨーク市で、自社の製品やサービスを展示し事業を展開するための独自の機会を提供していくだろう」と述べている。

 エクステル・デベロップメント社のCEOであるゲアリー・バーネット氏は「マンハッタンのミッドタウン地区(34th Street and 11th Avenue)というWPCのロケーションは、ヘルスケア・プロバイダーとヘルスケア・サプライヤーの両方の視点から理想的だといえる」と指摘する。同社は、シカゴ中心部にあるインシュアランス・エクスチェンジ・ビルディングの再開発や、ニューヨークにある格調高いマンション、タイムズスクエアにあるWホテル、ボストンハーバーを見下ろす高級感あふれるインターコンチネンタル・ホテルなど数多くの不動産開発プロジェクトを手掛ける米国有数の不動産開発業者である。また同氏は、「ニューヨーク市は、世界の中心地であり、常に国内及び世界中からの訪問者を受け入れている。そして、今後はこの最新鋭設備を持つWPCも観光客を迎え入れるスポットの一つになる。WPCは公共交通手段や、ニューヨークが提供するすべてのアトラクションへも簡単にアクセスできる便利なロケーションにある」と続けた。今後10年間で、ニューヨーク市を訪れる観光客の数は、年間約4000万人に上ると見積もられている。

 WPCに参加する企業には、常設のショールームが確保され、またWPCが提供するすべてのリソースやアメニティに独占的にアクセスできる。より詳細な情報については、ワールド・プロダクト・センター・マーケティング部門に、電話で問い合わせるか電子メール(info@worldproductcentre)、電話(212)506-5520、またはWebサイト(www.worldproductcentre.com)からの問合せが可能。


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