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砂漠で植林可能なウォーターボックス、P・ホフ氏が考案

 【アムステルダム17日PRN=共同JBN】オランダの新しい画期的な発明によって数年以内に地球上の広大な岩石混じりの砂漠地域で植林が可能になる。サハラ砂漠で行われた実験で、「ウォーターボックス(WaterBoxx)」は厳しい条件の下で苗木を育て、苗木に十分な量の水を供給できることが証明された。

 オランダの実業家で発明家のピーター・ホフ氏の考案品は年次「フライングダッチマン2008/アムステルダム科学技術サミット」で権威ある「ベータ・ドラゴン賞」を受賞した。科学者と業界リーダーで構成する審査委員会は、同氏の考案が最も有望で画期的なプロジェクトであると発表した。フィリップスのジェラルド・クライスタリー最高経営責任者(CEO)が賞金1万ユーロをホフ氏に手渡した。

 ウォーターボックスは中央に穴があいた長方形のプラスチック製バケツの形をしており、土壌に苗木を植え付けることを可能にする。巧妙に設計された上端部は夜間にコンデンセーションから水を取り込み、時たま降るにわか雨の雨水と一緒に中の苗木に少しずつ水分を供給する。また、ウォーターボックスは土壌表層の水分の蒸発を防ぎ、太陽光線、風、雑草、野ネズミから根を守る。1年後には苗木は自力で成長できるほど強くなりウォーターボックスを取り外すことができる。

 ホフ氏は「苗木は乾燥地域で成長可能だが発芽はしない。ウォーターボックスは苗木に幸先の良いスタートを切らせる」と説明している。

 同氏は最近、モロッコのサハラ砂漠で同氏の考案品のテストを行い成功した。ウォーターボックスとともに植え付けられた苗木の90%は猛暑の夏でも数カ月後には生き生きとして緑の葉をつけたが、ウォーターボックスなしで植え付けられた苗木の90%は毎週水を与えたにもかかわらず枯れてしまった。

 ホフ氏は適切な種を植え付ければ、農地を犠牲にしないで地球上の大部分で植林が可能であると確信している。同氏は投資家が中東、インド、アフリカ、その他の乾燥地域でこの考案品を利用することを求めている。ホフ氏は「もし20億ヘクタールを植林できれば樹木は人間が排出するよりも多くのCO2を消費し、CO2問題全体が解決するだろう」と語った。同氏のウォーターボックスは2009年7月1日に発売される。

 詳しい情報はウェブサイト(http://www.aquaproholland.com)まで。


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