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RVX-208に初期的効能、アルツハイマー病治療に

 【カルガリー10日CNW=共同JBN】クラス初の医薬品がカギとなるアミロイドマーカーの脳からのトランスポートの初期的兆候を示す。

 レスバーロジックス社(Resverlogix Corp.)(TSX:RVX)は10日、クラス初のApoA-1/プレベータ-HDL値上昇剤であるリード医薬品のRVX-208による治療の第1a相臨床試験の事後分析で、RVX-208による治療が認知機能とアルツハイマー病の重要なマーカーであるアミロイド-ベータ40について前向きの傾向を示す結果をもたらしたと発表した。アミロイド-ベータ40はアルツハイマー病患者の脳内のアミロイド・プラークの重要な成分である。アルツハイマー病のプラズマ・マーカーの分析は米アリゾナ州サンシティーのサン・ヘルス・リサーチ研究所の上級科学者で神経退行疾患ロバーツ研究所長のラリー・スパークス博士が行った。

 ダブルブラインド、投与量漸増、偽薬方式の第1相a試験は24人を研究対象として1週間にわたり3種の投与量群に分けて行われた。偽薬投与が6人、RVX-208の1日2mg/体重kg投与が6人、1日3mg/kg投与が6人、1日8mg/kg投与が8人だった。A-ベータ(A-ベータ40)のプラズマレベルは第1日と第7日に測定された。投薬後7日で、プラズマA-ベータ40レベルの12-14%の上昇がRVX-208の最大投与量群で観察された。この研究の仮説に基づくと、研究対象者が最低限であってもこの結果は偽薬と比較して意味のある傾向である。

 ハーバード女性研究、ホノルル-アジア人加齢研究、ホワイトホールII研究などの大規模な疫学研究から現れた証拠は、HDLおよびApoA-Iレベルの低さと認知機能の低下およびアルツハイマー病の間に関係があることを引き続き支持するものである。スパークス博士のADAPT群における選択的スタチン使用とコレステロール値によるグループ分けに関する研究は、HDL値の上昇とミニメンタルステート検査(MMSE)での好成績の間に意味のある関係があること、総コレステロール値およびLDLコレステロール値の上昇と学習機能、記憶の間には意味のある逆の関係があることを突き止めた。コレステロール値の上昇はAD神経毒と推定されるアミロイド-ベータ(A-ベータ)の生成、蓄積を増大させると考えられている。A-ベータペプチドはより大型の先駆体タンパク質の異常な分裂によって生成され、長さ42と40の2種のアミノ酸になる。

 スパークス博士は「ApoA-I、プレベータ-HDL生成、コレステロールのリバース・トランスポートを容易にすることに対するRVX-208の効果から、RVX-208はA-ベータ40を脳から循環中に引き出すスポンジとして作用できる機能的HDLへの効果を通じて、循環中のA-ベータ40のレベルを上昇させるのかもしれないという仮説を立てている。これは対象者が最小限で最低限のパイロット研究だが、前向きの兆候を発見できたことを喜んでおり、医療上の必要が満たされていないこの重要な分野でのRVX-208についてさらに研究したい」と語っている。

 レスバーロジックスのケネス・レビオダ上級副社長(事業・企業開発担当)は「この初期的結果について喜んでいるが、まだ慎重だ。データは、この重要な病気の領域で研究努力を続けるというわが社の戦略の基礎を固める重要な証拠を提供している。わが社はつねに、重要な必要が満たされていない分野の重要研究を継続するという戦略的ライフサイクル管理戦略を維持している。アルツハイマー病研究での進展は、わが社のリード医薬品とネクストバス(商標)プラットフォーム技術のために満たされていない必要のある分野で幅広い機会のポートフォリオを構築するというコミットメントを示すものだ。この重要な医療分野でスパークス博士との研究協力を続けたい」と述べた。

 ▽RVX-208について
 クラス初の新しい小分子治療薬で、内生のアポリポタンパク質A-I(ApoA-I)の生成を容易にするRVX-208は、アテローム性動脈硬化およびアルツハイマー病、血管性認知症、脳卒中、末梢動脈疾患(PAD)などの血管障害の治療で最も有望な新薬の1つである。高密度リポタンパク質(HDL)の重要な心臓血管タンパク質であるApoA-Iは、処理用の肝臓への血管壁を含む末梢コレステロールのトランスポートであるリバース・コレステロール・トランスポート(RCT)を仲介することによってアテローム性動脈硬化に対抗するために人体に自然に備わっている防衛システムである。レスバーロジックス社の知る限りでは、RVX-208はApoA-I生成を増加させ、それによってプレベータ-HDL値を上昇させ、それがHDLの機能性を強化して血管床からのRCTを増大させるように特に設計された新しい小分子として唯一のものである。

 ▽アルツハイマー病について
 71秒ごとに米国では誰かがアルツハイマー病を(AD)を発症しており、21世紀半ばまでには33秒ごとに発症すると推定されている。アルツハイマー病などの神経退行性疾患は先進国では最も衰弱性の病気の1つであり、米国では2050年までに患者が1500万人にまで増えると推定されている。アルツハイマー病協会が委託したリポートでは、米国での介護コストは生産性の喪失、欠勤、労働者の配置転換を含め、365億ドルと推定されている。ADの間接コストも大幅に削減されるだろう。AD介護のコストの半分から3分の2は、週に16-35時間AD患者の介護に当たる給与を支払われない介護者(家族であることが多い)から生じていると推定されている。こうした数字はADの社会経済的負担を助ける新しい治療薬開発の重要性を強調するものである。

 ▽サン・ヘルス・リサーチ研究所について
 サン・ヘルス・リサーチ研究所は非営利医療機関バナー・ヘルスの一部で21年間アルツハイマー病、パーキンソン病、関節炎、前立腺がんを含む加齢疾患への解答を発見する努力をしてきた国内外のリーダーである。研究所はアリゾナ・アルツハイマー・コンソーシアムのパートナーと共に米国立衛生研究所(NIH)から米国に31しかないアルツハイマー病センターの一つに指定されている。

 ▽レスバーロジックス社について
 レスバーロジックスは、満たされていない必要が大きい重要な世界医療市場のために新治療薬の開発に従事している有力なバイオテクノロジー会社である。ネクスバス(NexVas商標)計画はApoA-1を強化する新しい小分子を開発するための同社の主要な重点計画である。これらの重要な治療薬は、アテローム性動脈硬化や急性冠状動脈症候、糖尿病、アルツハイマー病その他の血管障害のような重要な病気の痛ましい重荷に対するものである。同社の第二の重点は、がんや線維症のような増大している痛ましい病気に対応することを目的とするTGFベータ・シールド(TGF-Beta Shield商標)計画である。レスバーロッジクスの株式はトロント証券取引所で取引されている。詳しい情報はwww.resverlogix.comを参照。


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