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スイス・リーの四半期決算、1株利益は1・70スイス・フラン

 【チューリヒ5日新華・PRN=共同JBN】スイス再保険会社(以下、スイス・リー)は5日、金融市場の低迷にもかかわらず2008年第2四半期の純利益は6億スイス・フランに達したことを発表した。損害保険と生命・医療保険事業が好調に推移。1株当たり利益は1・70スイス・フラン、株主資本利益率は年率換算で8・5%だった。スイス・リーは資本が非常に厚く、AAの格付けに必要な資本金を大幅に上回っている。

 スイス・リーのジャック・エイグレイン最高経営責任者(CEO)は「損害保険と生命・医療保険は好業績を維持しており、厳しい市場環境でも当社が高い営業利益を上げられることを明確に示している。金融市場は混乱が続いているが、当社は資本金が豊富なうえ健全な投資ポートフォリオを堅持している」と述べている。

 スイス・リーの2008年第2四半期の純利益は6億スイス・フラン、1株当たり利益は1・70スイス・フランであった。第2四半期の株主資本利益率は年率換算で8・5%、上半期では8・4%を記録した。

 ランオフのストラクチャード・クレジット・デフォルト・スワップの当四半期の評価損失は3億6200万スイス・フランであった。

 総額17億スイス・フランの投資ポートフォリオに対するバリュエーション効果に加えて、金利の動きや13億スイス・フランにのぼる配当金支払いにより、第2四半期の株主資本は8%減少し256億スイス・フランとなった。グループは2008年7月末時点で、目標とする77億5000万スイス・フランの自社株買戻し計画の49%を達成している。これはスイス・リーの堅固な資本基盤を反映し予定より早いペースである。1株当たり簿価は2008年3月末の83・26スイス・フランから6月末は77・65スイス・フランに減少した。

 スイス・リーの業績は引き続き好調である。損害保険事業は、コンバインド・レシオ92・3%で順調に推移し、スイス・リーの効果的なサイクル管理を裏付けた。料率設定サイクルが低迷する中、引受業務の質と慎重なリスク選択を最重視した結果、当四半期は投資収益配分が激減したにもかかわらず、損害保険部門の営業利益は8億スイス・フランに達した。

 生命・医療保険部門の営業利益は6億スイス・フランと、前年同期比で1%増加した。死亡率と罹患率が大幅に改善したことが寄与した一方で、アドミン・リー(登録商標)事業は前四半期に比べて投資収益が低下した。

 投資利回りが5・2%と堅調だったことを反映して、フィナンシャル・マーケッツ部門の営業利益は13億スイス・フランに上った。

 (ストラクチャード・クレジット・デフォルト・スワップのランオフによる影響を除いた)当四半期の投資収益率は年率で3・0%を記録した。投資収益率の低下は、グループのヘッジ・プログラムの影響によるところが大きい。ヘッジ・プログラムは減損リスクからポートフォリオを守る点で効果的だが、短期的には会計上スイス・リーの投資収益率の安定性を損ねる。グループは質の高い投資ポートフォリオを維持しており、減損はわずか1億7500万スイス・フランと、上場株への純エクスポージャーは非常に低くなっている。

 ジャック・エイグレインCEOは「厳しい市場環境は新たなチャンスも生み出す。スイス・リーは引受に対する厳格な姿勢、新興市場の拡大、新商品に裏打ちされチャンスをつかむために必要な実行力と資本力を備えている」と述べた。
 2008年8月5日、7億5300万英ポンドの現金価格でスイス・リーがバークレー生命保険会社の買収に合意したことが、その良い例である。スイス・リーは76万件前後の生命保険や年金契約、約68億英ポンドの運用資産を獲得することになる。今回の取引によって、株主資本利益率は、スイス・リーが常に目標とする14%を上回る見通しである。今回の取引は発表済みの自社株買戻し計画には影響を与えず、77億5000万スイス・フランにのぼる自社株の買い戻しは予定通り2010年4月までに完了するとみられている。

 スイス・リーは生命保険と損害保険の双方でランオフ・ソリューションの需要増を予想しており、英国や北米でのアドミン・リー事業の一層の拡大のほか、チャンスに応じて新市場への参入が可能になる。直近の証券化商品である、ベガ・キャピタル・プログラムを通じた1億5000万米ドルの複数自然災害へのプロテクションにより、保険リンク証券型商品の開発におけるスイス・リーの主導的役割が確約された。
 スイス・リーは引き続き、1株当たり利益の目標伸び率を10%、株主資本利益率の目標を14%に据え置く。

 ▽スイス再保険会社について
 スイス再保険会社(略称「スイス・リー」)は、世界をリードする極めて多角的な再保険会社である。同社は世界25カ国以上で事業拠点を展開している。1863年にスイスのチューリッヒで創業されたスイス・リーは、事業や発展に付随するリスクを負うことを可能にする金融商品を提供している。伝統的な再保険商品と損害および生命・医療保険関連サービスは、包括的なリスク管理のための保険をベースにしたコーポレート・ファイナンス・ソリューションとその付加サービスによって補完されている。スイス・リーはスタンダー&プアーズから「AA-」、ムーディーズから「Aa2」、そしてA.M.Bestから「A+」の格付けを取得している。


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