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【定食】びっくり食堂=東京都台東区浅草     推薦者: F番記者

びっくり食堂
びっくり食堂
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  江戸時代から繁華街として栄え、現在は海外からも観光客などが訪れて賑わいを見せる東京の下町・浅草。そんな浅草の食の名所「びっくり食堂」がある。浅草寺近くで土曜・日曜日しか営業していない一風変わった定食屋だが、戦後間もない昭和25年に創業して以来多くの人に愛され続けてきた老舗である。

 店内は、六人掛けのテーブルが5席ほど。近郊にJRAの馬券場があることから、店内のテレビからは競馬中継が流れ、客層も競馬愛好家が多い。そんな競馬ファンのために土・日営業としているのかと思うが、昭和8年生まれの女将さんの話によれば全く関係ないらしい。

 昭和25年6月創業の同店はもともと、フルーツパーラーとしてスタート。建物の2階で定食屋を始めたのがきっかけで、今日に至る。女将さんは初代のご夫人で、現在も当時と変わらず元気に店にたっている名物女将。食事に伺った日もハキハキとした口調で「味が良いって評判でね。戦後食糧難時から稼ぎまくったよ」と笑いながら現在までの歴史を語ってくれる。

 現在は、息子の次男が稼業を継いでいる。もともとレストランのシェフだった次男は、初代の急逝で呼び戻された。この時の条件が「土日しか営業したくない」ということだったようだ。それは冗談半分だとしても、味にはこだわりを持ち毎週木曜日と金曜日の2日間を仕込み。「いい加減なものは出せない」というのが店のポリシーのようだ。

 訪問した日も、昼の時間帯をずらして訪れたにもかかわらず、満席状態。たまたま、先客が会計を済ませたことから、譲ってもらい座ることができた。メニューを見ると、様々なメディアにも取り上げられる人気の「生姜焼き」カレーやラーメン、チャーハンの定番から、カツハヤシ、焼きそば、野菜炒め…など下町の定食屋からか幅広い。

 まずは席に着き、御膝元のアサヒビールで乾杯。ひと息着いたところで、私は人気の「生姜焼き定食」を初めて注文。上司はチャーハン、先輩はカツハヤシを、そして単品で野菜炒めも注文した。

 運ばれてきた料理は、どれもボリュームたっぷり。野菜炒めはシャキシャキ感を残して炒められており、チャーハン・カツハヤシ共に味付けも程よい塩梅で絶妙。

 人気の生姜焼き定食は、皿から溢れんばかりの大振りの豚肉ロースが二枚盛り付けられている。ロースそのものは厚みがありながら柔らかく、生姜も利いていて食べごたえ十分。ご飯もビールでも相性が抜群だ。どの料理も丁寧に仕込み味付けがされていて、長年定食屋として愛される理由がわかる気がした。

<メニュー>
生姜焼き定食800円、カツハヤシ800円、チャーハン650円、野菜炒め定食750円…等々。

◆びっくり食堂 ▽住所=東京都台東区浅草2―14―1。▽電話=03―3841―8301。▽営業時間=土日祝日9:00~20:00。





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