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ケヴィン山内の英語まめ知識

マニフェスト manifesto

 衆議院選挙まで2週間を切りました。今マスコミで喧しく言われているのがマニフェストという言葉ですね。英語では manifesto〔mæniféstou〕と綴られる。語源はラテン語起源manus(手)+ fendere(打つ)から成っていて意味が転化して「はっきりさせる」となったとされる。

 一般的にカタカナ日本語から英語の綴りを想像する場合、日本語は開音化傾向が顕著で英語は閉音化の言語だから単語の最後が「ト」だと英語の綴りの最後は「t」となるのが普通。ところが見出しのスペリングはmanifesto となっていて日本語の開音化規則と同じでa,e,i,o,u が付いていてちょっとびっくりする。なぜならmanifesto はイタリー語を経て(イタリー語は日本語と同じ開音化言語だから)英語に入ってきた後も最後に「o」が付いたままである。

 イタリー語の発音と少し違うのは英語の「o」は「オウ」と発音するので発音記号を見て判るように「マニフェストウ」となり「フェ」を強く発音するので後述するmanifest〔mǽnifest〕 とはストレスの位置が違うので英語好きの皆さんは注意してください。

 さて、イギリスへ入ったイタリー語 manifesto (声明、宣言)が英語において選挙公約の意味で使われるようになったのは、ロバート・ピールのタムワース・マニフェストが起源と言われていて、これが近代イギリス保守党の政治的立場の基礎となったと考えられている。19世紀に入り政党が政権公約集を発行するようになり、政党は政権獲得後に行う施政方針の概要を記したマニフェストを準備して選挙に臨み、有権者は自らの意図に近いマニフェストを選んで投票するようになった。


本紙2009年8月17日付(2121号)掲載





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