現在位置: HOME > コラム > 小池安雲の色の魅力 > 記事


小池安雲の色の魅力

第6章

 みなさま、こんにちは! 日に日に暑さが増している今日この頃、いかがお過ごしでしょうか。私は暑い中、ロウを溶かしてはキャンドルを灯すという夏限定のダイエットを敢行しております。
 さて、世間は(いや、世界は?)2014年サッカーワールドカップ出場を賭けた最終予選の真最中ですね。普段は仕事熱心なみなさまも、試合のときは手を休めて日本代表を応援していらっしゃることと思います。
 日本代表と言えば「サムライブルー」がキャッチフレーズですよね。鮮やかな青に目が馴染んで久しいですが、ユニフォームが決まった当初は国旗の色である赤白ではなくブルーが使われたことに新鮮な驚きを覚えました。国の代表のユニフォームでも、国旗の色が用いられるとは限らないようです。しかし、ユニフォームカラーが国をイメージすることに変わりはありませんので、今回は国旗の赤白とサムライブルーの両方を色の観点から見ていきたいと思います。
 まず、国旗の象徴である日の丸は、日の出の太陽を表現していると言われています。赤は、情熱・活力・肉体の色。白は、純粋・強烈・完全の色。二色を合わせると、純粋な情熱・強い活力・完全なる肉体という読み解きができます。とても「強い」色合わせですね! これは偶然かもしれませんが、2000年以降のJリーグでは赤のイメージカラーを持つチームが実に7回も優勝を手にしています。
 では、サムライブルーはどうでしょうか?
 ブルーといえば空の色をイメージしますが、サムライブルーは空よりも濃く深い青色をしています。紺のような色合いは、海を表すネイビーブルーに近いかもしれません。濃淡の違いはあっても、海や宇宙に例えられる深いブルーは「一体感」や「調和」を表します。チームプレーには欠かせない要素ですね。
 また、肉体や情熱の赤とは対照的な「精神」「鎮静」「信頼」という意味もあります。ブルーは、「穏やかながらも芯は強い」というまさにサムライのようなマインドの色です。
 選手は、自らとチームの力を信頼してプレーすること。サポーターは、日本代表の勝利を信じ一体感を持って応援すること。それが、サムライブルーに込められたメッセージなのかもしれません。
 ただし、ここでまた注意点がひとつ。
 ブルーは水を表す色でもあるので、流れる=飽きっぽいという一面を持つのです。プロスポーツは、ファンあってのもの。ブームのときだけ盛り上がるのではなくて、常日頃から選手を応援していきましょうね。

 2012年6月17日付・第2223号紙面より


バックナンバー

購読のご案内

取材依頼・プレスリリース

注目のニュース
最新の産業ニュース
写真ニュース

最新の写真30件を表示する