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横須賀製鉄所スチームハンマーなど6件が機械遺産に認定

スチームハンマー
機械遺産に認定された「スチームハンマー」(撮影・Fj)
 国内の機械技術面で歴史的意義のある「機械遺産」に、旧横須賀製鉄所の「スチームハンマー」など6件が新たに認定された。日本機械学会が24日に発表した。

 関連記事:重工業源泉のオランダ製スチームハンマー

 旧横須賀製鉄所のスチームハンマーは、本紙でも幾度か取り上げ報じている通り、日本の重工業の源泉とも称されているオランダ製スチームハンマー。国内に現存する最古のスチームハンマーとして、国の指定重要文化財に登録されている。

 その歴史を紐解くと、1865(慶応元)年に、横須賀製鉄所の建設を主唱した徳川幕府勘定奉行・小栗上野之介公の構想に基づき、6台がオランダから輸入。これらは幕府の近代化政策のなかで、横須賀と横浜の造船所に配備された。現存するのは0.5トンタイプと3トンタイプの2台のみである。

 その機械的構造は、蒸気(スチーム)を動力にハンマー(槌)を垂直に持ち上げ、加熱した金属素材へとハンマーを落下させた打撃力によって素材を成形する、いわゆる鍛造加工の工作機械である。同機械は19世紀半ばに英国のジェームス・ナスミス氏が考案した。

 明治維新後は日本海軍に引き継がれ、戦後は在日米軍横須賀基地の艦船修理廠で、0.5トンハンマーは1971(昭和46)年まで、3トンハンマーは1996(平成8)年まで使用されていたという。その後、日本に返還され、2002(平成14)年に横須賀市のヴェルニー記念館へ移設、現在に至っている。

 なお、今回の機械遺産にはこのほかに、機械式立体駐車装置「ロートパーク」、国産化黎明期の家庭用電化機器、大隈式非真円平軸受とGPB形円筒研削盤、国産初の16ミリ映写機(エルモA型)、からくり人形「弓曳き童子」が新たに認定された。


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