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進行がん患者で利点示す、メルサナのXMT-1001

 【ケンブリッジ(米マサチューセッツ州)12日PRN=共同JBN】プラットフォーム・ベースのがん治療薬会社メルサナ・セラピューティックス(Mersana Therapeutics)は12日、同社のリード化合物であるXMT-1001についての報告が、「ポリマー治療薬に関する先進的医薬品伝達レビュー:臨床アプリケーションと開発上の難問」誌の2009年11月12日付特別号に掲載されると発表した。「XMT-1001:進行したがん患者向けに臨床開発段階にある新しい複合カンプトテシン・プロドラッグ」と題するこの報告論文は、メルサナのアレクサンダー・V・ヤーコベトスキー、ロバート・J・フラム両博士が執筆した。ポリマーとの複合体や、リポソームに封入されたほかのトポイソメラーゼI阻害剤と対比して、XMT-1001の全体像を示している。

 XMT-1001は、広い範囲の細胞毒性カンプトテシン(CPT)の複合体で、メルサナのフレキシマー(登録商標)プラットフォームを利用している。 XMT-1001は現在、進行した硬腫瘍患者を対象に第1相試験が行われている。フレキシマーで結合させたものでないCPTは、米国立がん研究所(NCI)が行った過去の臨床研究で活性を示したが、ぼうこう毒性が激しいため打ち切りになった。XMT-1001計画は、臨床活性薬剤で大幅に改善され広い領域の活性を示し、効能と安全性が向上する可能性がある。

 この報告によると、XMT-1001はヒトの腫瘍の異種移植研究で、CPTやイリノテカンに比べ治療ウインドーの改善を示した。またほかの多くの複合 CPT類似薬剤と異なり、性質がはっきりした医薬製品をゆっくりと持続的に全身にリリースし、分子重量の少ない形態でも高分子の形態でも、腫瘍への薬剤伝達が可能だと報告している。XMT-1001のこの二重リリース・メカニズムで尿のCPTレベルが低下し、CPTやほかのポリマーとの複合CPTに伴う深刻な毒性によって投与量の制限をもたらすぼうこう毒性が減少する可能性がある。

 進行中のXMT-1001の第1相試験の予備的データは、これらの所見を裏付けており、複数の重度の治療を受けながら非骨髄抑制性のXMT-1001の投与で安定した状態が続いている進行がん患者で示された好ましい薬物動態、安全性、治療活性の可能性を明らかにしている。これまでにXMT-1001では深刻な下痢や出血性ぼうこう炎、非結合CPTやイリノテカンに伴う深刻な副作用は起こっていない。

 メルサナのジュリー・オルソン最高経営責任者(CEO)は「この報告論文は、フレキシマーを抗がん化合物と結合させることのユニークな利点をあらためて示している。特に、二重リリース・メカニズムを持つCPT複合薬剤をメルサナが開発したことで、効能を強化する可能性を残しながら、これまではこれらの薬剤の懸念材料だったぼうこう、胃腸に対する毒性に対応できる可能性が出てきた。メルサナは過去1年、堅実に前進し、XMT-1001は第1相試験に進み、第2の候補であるXMT-1107は臨床段階に進める準備をしている。小分子と化学的に結びつくフレキシマーの能力が集めている注目と、既存の抗がん剤や治験段階の抗がん剤をすぐれた医薬品特性を持つ新たな特許取得可能な医薬品に変えるsiRNA、ペプチド治療薬のような生物製剤に力づけられている。今後も引き続き既存化合物、新たな化合物を前進させたい」と語っている。

 ▽メルサナ・セラピューティックス社(Mersana Therapeutics, Inc.)について
 メルサナ・セラピューティックスは、生物分解性のポリマー・プラットフォーム(フレキシマー)を利用して、新しいよりよい医薬品をつくり出している。同社は、複数の腫瘍病に対処できる可能性を持つ新しい化合物の自社臨床段階パイプラインを進展させている。また、多くの治療分野で核酸、生物製剤、小分子の安全性、効能、伝達上の難問を克服するため、提携関係を通じてフレキシマーの多機能性を活用している。詳しい情報はwww.mersana.comへ。

 ▽フレキシマー(Fleximer)について
 フレキシマーは小分子、生物製剤、核酸と化学的に結合して生物動態と安全性を強化し、既存薬剤、治験薬剤をすぐれた特性を持つ新たな特許取得可能な薬剤に変える可能性のある新しい生物分解性、生体不活性のポリマーである。フレキシマー・プラットフォームには、治療カテゴリー全体にわたって、すべてのタイプの治療薬の伝達を改良する幅広い、多機能のアプリケーションがある。メルサナの内部パイプラインはフレキシマー・プラットフォームで形成された。

フレキシマー(登録商標)はメルサナ・セラピューティックスの商標である。


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