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スイスの量子暗号ネットワーク、1万2000時間稼働

 【ジュネーブ9日PRN=共同JBN】スイスクオンタム・テストベッド・ネットワークはこのほど、ジュネーブ大学、西部スイス応用科学大学、アイディー・クオンティーク(id Quantique)社がメッシュ型のネットワーク環境で量子暗号技術の長期運用を実証するためジュネーブに構築した。このネットワークは、以前に展開された量子暗号ネットワークと異なり、リアルトラフィックを伝達し個別にテストされる。

 量子暗号は、光リンクで暗号鍵(キー)の配分を可能にし、そのセキュリティーを確保するため量子物理学の法則を利用する技術である。ジュネーブ大学のニコラス・ギシン教授は「これはデータの長期的機密性を確保する唯一の技術だ」と語った。

 ネットワークを形成する3つの量子暗号リンクは3つのノードのどれにも暗号鍵(キー)を配分する。これらの鍵(キー)は、CERN(欧州合同原子核研究機関)とジュネーブ大学間の通信やファイバーチャンネル(Fibre Channel)およびIPSEC(インターネット暗号通信の規格)の暗号を確保するため10ギガビット・イーサーネット暗号化などのサービスに使用される。西部スイス応用科学大学のジェラルド・リチストルフ教授は「スイスクオンタム・ネットワークは現在までに展開された最先端量子暗号ネットワークである。この技術は標準的なネットワーク技術以上の特別な技術を使用する必要がないという事実に強い感銘を受けた」と語った。

 このネットワークは2009年4月に配備され、既に6カ月以上機能しており累積運用時間はこのほど1万2000時間の水準を超えた。アイディー・クオンティーク(id Quantique SA)社のグレゴアール・リボルディ最高経営責任者(CEO)は「このプロジェクトでわれわれはこの技術が成熟して、信頼でき、すぐに配備できることを明確に実証している」と語った。このネットワークの運用は10月5日から9日までジュネーブで開催されたITU(国際電気通信連合)世界テレコム2009の展示会で実地説明が行われ、その性能は10月8日の会議で紹介された。詳しい情報はウェブサイト(http://www.swissquantum.com)まで。


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