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クロマグロの持続的養殖へ前進、クロアチアで大きな一歩

 【ザダル(クロアチア)7日PRN=共同JBN】商業的に価値の高い大西洋クロマグロ(NBT)の閉鎖ライフサイクルの養殖に向けた重要な前進が、クロアチアのマグロ養殖会社カリ・ツナのアドリア海にある養殖施設とスプリト大学の試験所で達成された。スプリト大学の海洋科学者は配偶子形成過程が完結し、一定数のマグロの卵がクロアチア沿岸のケージに産み付けられたことを確認した。

 実験では約800匹の親魚が2006年春から特別のケージ内に入れられた。2009年初夏にケージ内での親魚の産卵に成功した。ほとんどの卵は自然に水中に放出されたが、一定数の卵は集められてスプリトの試験場でふ化させることに成功した。

 過去2年間にNBTの将来は暗いものとなり、需要の多いこの魚は乱獲によって東京の築地市場で1ポンドあたり25ドルもするようになっている。

 マグロの養殖で持続性のカギとなるのは、サケなどの魚種でこれまでに行われたような「閉鎖ライフサイクル」の養殖プロセスをつくり出してNBTを飼い慣らすことである。このプロセスは捕らえた魚を利用されていない海の小魚で飼育し、成長させることである。欧州、日本、オーストラリアの科学者、養殖業者は長年にわたりつかまえたマグロの卵をふ化させようとしてきたが、この仕事はマグロのマッチング習性についての知識がないために特に難しかった。これまでに日本の近畿大学、オーストラリアのクリーンシーズ・ツナでいくつかの成功が記録されたが、どのケースも人工的な管理された環境でだった。

 クロアチアの元副漁業相で現在はスプリト大学海洋学漁業研究所の試験所長であるイバン・カタビッチ博士は「捕らえられたマグロがホルモンや人間の助力なしに産卵したという事実はユニークな出来事である。われわれのプロジェクトはクロマグロの繁殖習慣のコードを解読することを目指していた。われわれはクロマグロ養殖のために閉鎖ライフサイクルをつくり出し、世界の海に存在している魚への圧力を軽減することを目的としていた。この結果はその方向への大きな一歩だ。カリ・ツナの養殖技術とケージのある場所との組み合わせがわれわれの業績のカギである。カリ・ツナはほかの大半の養殖場より長期間魚を成長させている。よい養殖技術とユニークな場所の条件の組み合わせでカリ・ツナは産卵用親魚が捕らえられた状態で再生産サイクルを完了するのに必要な生理学的条件を満たすことができたのだ」と語っている。

 オリ・バルル・ステインドルソン氏はカリ・ツナの取締役会長である。アイスランドの漁村アクラネスで生まれたステインドルソン氏は交換学生として東京で1年を過ごし、日本語と日本文化を学んだ。17歳でインターンとして日本の海産物事業に入り、10年後には自身の海産物貿易会社を設立した。同氏は「持続可能で閉鎖ライフサイクルの養殖プロセスをつくり出すことに明確に特化して、環境への影響が最小限の最上級のヘルシーな海産物を生産している。この実績の自然な環境は魚を養殖するきわめてコスト効率のよい方法への希望を生み出すものだ」と語っている。

 カタビッチ博士、ステインドルソン氏の写真、経歴を含む詳しい情報はwww.kali-tuna.comへ。


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