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ラピッドアーク放射線治療を実施、東南アジアで初めて

 【香港18日PRN=共同JBN】より進んだ介護をより多くの患者に提供する新しい、より速い形態の放射線治療法を使って、東南アジアで初めての治療を香港の医師たちが実施した。74歳の局部前立腺がん患者がバリアン・メディカル・システムズ(Varian Medical Systems)(NYSE:VAR)のラピッドアーク(RapidArc)放射線治療技術を使った治療をこの地域で初めて受ける患者となった。

 香港のパメラ・ユード・ナダソール病院(PYNEH=東区尤徳夫人那打素医院)の臨床医たちは、従来のIMRT(強度変調放射線)治療よりもずっと速く2、3分しかかからなかったこの初の治療を喜んでいると語っている。放射線腫瘍科医長のT・K・ヤウ博士は「IMRT治療は一連の複数角度の固定照射ビームで標的を定めるため時間がかかるが、ラピッドアーク治療はそれより劇的に速い」と述べた。

 博士はさらに「この新しい技術によって香港のがん患者はより速く、より快適でより正確な放射線治療を受けることができる。ラピッドアーク治療はIMRT治療と比べて同等ないしそれ以上の線量順守が可能なうえに、治療時間は短い。これはより多くの患者をIMRT並みの質を持つ先進的な治療法で治療できることを意味する」と語っている。
 ヤウ博士によると、同病院は現在、ラピッドアーク治療の範囲を拡大してほかの骨盤腫瘍、頭部や頚部のがんを含めることを計画している。PYNEHは香港に6カ所ある公共がんセンターの1つである。

 患者周辺の治療機械の1回または複数回の照射によって正確で効率的な治療を行うラピッドアークは、放射線療法設備とソフトウエアの世界リーダーであるバリアンが昨年初めに導入した。発売以来、世界の70以上の病院が臨床治療を開始しており、東南アジアでは2006年に香港で初めて画像誘導放射線療法(IGRT)を導入したPYNEHが最初である。

 PYNEHの医師たちは、個人の寄付のおかげで2008年に入手したラピッドアーク放射線治療技術装備のクリナック(Clinac登録商標)23Ex1台を含む3台のバリアン社の線形加速器を使って患者を治療している。ヤウ博士によると、博士の医局は数カ月以内に2台目のラピッドアーク装備加速器を導入する予定である。

 ▽バリアン・メディカル・システムズ(Varian Medical Systems, Inc.)について
 バリアン・メディカル・システムズ(本社・米カリフォルニア州パロアルト)は放射線療法、放射線外科、陽子線量法、ブラキセラピーでがんなどの病気を治療するための医療機器、ソフトウエアの世界で有力なメーカーである。同社は包括的ながんクリニック、放射線療法センター、腫瘍医療機関を管理するためのインフォマティクス・ソフトウエアを提供している。バリアンは医療、科学、産業用アプリケーションにおけるX線画像技術用の管、デジタル感知器の一流サプライヤーであり、貨物検査、産業用検査向けのX線画像製品も供給している。従業員は北米、欧州の製造施設と世界各地の60の販売、サポート事務所を合わせて約5100人。詳しい情報はhttp://www.varian.comへ。


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