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3億400万Sフランの損失、スイス再保険の第3四半期

 【チューリッヒ4日新華・PRN=共同JBN】スイス再保険会社(以下、スイス・リー)は4日、2008年第3四半期の純損失が3億400万スイス・フランとなったと発表した。世界金融市場における空前の混乱をよそに、2008年1月から9月までの営業純利益は、8億8400万スイス・フランを計上。2008年9月末における1株当り簿価は、74・16スイス・フランとなっている。スイス・リーのバランス・シートは依然として強固であり、自己資本は引き続き非常に高いレベルを維持している。

 スイス・リーは、2008年第3四半期の純損失が3億400万スイス・フランとなったと発表した。非常に厳しい市場状況にありながらも、スイス・リーは2008年1月から9月までの間に、8億8400万スイス・フランの収益を計上している。1株当り利益は、2008年第3四半期は、-0・93スイス・フラン、1月から9月までは2・66スイス・フランとなった。2008年第3四半期の株主資本利益率は-4・9%、2008年第1-3四半期の株主資本利益率は4・3%と公表された。

 スイス・リーの投資に対する慎重な取り組みの結果、2008年第3四半期の株主資本は、同年第2四半期と比較して6%の減少に留まり、241億スイス・フランとなった。1株当り簿価は、2008年6月末の77・65スイス・フランと比べて緩やかな減少をみせ、2008年9月末で、74・16スイス・フランとなった。

 金融市場の急激な変動と、再保険に対する顧客からの需要が著しく増加した影響を受け、スイス・リーは自社株買戻し計画を一時中断した。2008年10月末までに、グループは77億5000万スイス・フランの51・2%を占める自社株買戻し計画を達成している。スイス・リーは、今後2010年4月までに買戻し計画の完了を予定している。しかし、この実現は資本市場に安定性が戻ること、また損害保険、生命・医療保険事業においてビジネスチャンスが生じるかどうかに左右される。

 投資リターンの低下、自然災害による損害額の著しい増加に加え、慎重な引受けの結果として、損害保険の営業利益は、9900万スイス・フランに減少した。実現損益を除き、2008年第3四半期の営業利益は、同年第2四半期の18億スイス・フランから、7億1000万スイス・フランに減少。第3四半期のコンバインド・レシオは、自然災害による負担の増加にもかかわらず、99・8%(割引控除を除くと97・6%)となり、2008年1月から9月までは96・4%(割引控除を除くと94・4%)の数値を示している。スイス・リーは、効果的な保障を提供することにより、自然災害による損害額増加がもたらした影響を軽減させることに成功した。スイス・リーは、引き続き株主価値の最大化を確保するために、今後も引受の質対量に対して注力する。さらに市場の硬化に関する指標の早期裏づけが得られた場合、損害保険に対して資本をリダイレクトしていく。

 2008年9月23日、スイス・リーは、ハリケーン「アイク」の被害に対して予想される損害額概算が2億5000万米ドルになると伝えた。しかし、現在スイス・リーは、米国の中西部およびオフショア・エネルギー関連の保険契約者からの補償請求が高まるであろうことが予想されるため、この損害額が3億1500万米ドルになると予測している。ハリケーン「グスタフ」による損額額の予測に変更はない。スイス・リーは、ハリケーン「グスタフ」と「アイク」による純損害額の総計が、約3億6500万米ドルになると予測している。

 生命・医療保険事業の、2008年第3四半期の営業利益は-6億1400万スイス・フランに減少した。これは、金融市場の混乱と、北米での高い死亡率に起因した実現投資純損失が5億7200万スイス・フランとなったことが主な原因である。全般的に見れば、2008年1月から9月までの死亡率の動向は、予測とほぼ一致した推移を見せた。2008年1月から9月までの営業利益は3億9200万スイス・フランを計上している。実現投資損失を除くと、2008年第3四半期の営業利益は、同年第2四半期の8億6800万スイス・フランから2200万スイス・フランに減少した。

 投資収益率(年率)は、2008年第3四半期は1・6%、同年1月から9月までは3・4%となった。投資収益率は、主にヘッジによる費用に加え、実現および未実現評価損失の影響を受けた。スイス・リーの投資ポートフォリオは、質が高くバランスよく分散された50%以上の現金、短期性預金、トレジャリー・ビルまたは政府保証商品で構築されている。2008年第3四半期、グループはヘッジを通じて企業信用のエクスポージャーを著しく削減することに成功している。同様に、株式ポートフォリオも、売却やヘッジを通じて削減している。

 第3四半期のストラクチャード・クレジット・デフォルト・スワップにおける未実現評価損失は、2億8900万スイス・フランを計上した。

 スイス・リーの最高経営責任者、ジャック・エイグレイン氏は「スイス・リーは、強固な資本基盤に加え、我々が保持する高水準な多角性と長年にわたる専門知識により、現在の市場発展による恩恵を受けながら、市場で優位な地位を維持している」と述べている。

 さらに、エイグレイン氏は「スイス・リーの財政力の強さと安定性は、現在の金融市場の混乱から生まれたチャンスを生かすことや、将来に備えた支援や再保険に対するサポートを顧客から求められた際に、適切なソリューションを顧客に提供することを可能にする。顧客はスイス・リーを選び、我々はその期待に応じる」と付け加えている。

 グループは引き続き、1株当たり利益伸び率10%、株主資本利益率14%という目標を掲げていく。

 ▽スイス再保険会社について
 スイス再保険会社(略称「スイス・リー」)は、世界をリードする極めて多角的な再保険会社である。当社は世界25カ国以上で事業拠点を展開している。1863年にスイスのチューリッヒで創業されたスイス・リーは、事業や発展に付随するリスクを負うことを可能にする金融商品を提供している。伝統的な再保険商品と損害および生命・医療保険関連サービスは、包括的なリスク管理のための保険をベースにしたコーポレート・ファイナンス・ソリューションとその付加サービスによって補完されている。スイス・リーはスタンダード&プアーズから「AA-」、ムーディーズから「Aa2」、そしてA.M.Bestから「A +」の格付けを取得している。


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