ケヴィン山内の英語まめ知識
りんご apple の考察
りんごは昔から体に良い果物とされています。一日一個のりんごで医者要らず、とか毎日の赤りんごは医者を青くする、などと言われています。英語では An apple a day keeps the doctor away と言います。旧約聖書にあるアダム(Adam)とイヴ(Eve)が禁断のりんごを食べてしまった話は有名ですが、そのアダムが食べたりんごが喉に詰ってしまって、それから喉仏(のどぼとけ)をAdam’s apple と言うようになりました。
pineapple とは何でしょうか? もちろん甘くて美味なパイナップルのことですが、もともとは松笠(まつかさ)を英語でそう呼んでいました。ところが果物のパイナップルが有名になってしまったので、従来の松かさは仕方なく pine cone とか conifer(針葉樹)cone と呼ばれるようになりました。ついでに蛇足1松かさは別名松ぼっくりのことですが、ぼっくりとは男性のふぐり(睾丸)のことで、もともとは松ふぐりと呼ばれていて、だんだんと発音が松ぼっくりへと変化していきました。蛇足2 ある新婚カップルがハワイでかっこつけて pine juice, please とオーダーしたらウェイターに『松の実のジュースはありません』と断られました。日本ではパインジュースで通じますが、英語圏では pineapple juice と注文しましょう。パイナップルは南米が原産で大航海時代にアメリカやヨーロッパへ伝えられたそうですが、ことばの由来は形が松ぼっくりに似ていて味がりんごに似ていたからだそうです。
さて、日本へりんごが伝わったのは明治時代で冷涼な気候を好むことから長野、山形、岩手や青森県が産地になりました。私が子供の頃はよくインドリンゴを食べました。今売られている王林やむつの先祖になっています。では、なぜインドという名前が付いているのでしょう。諸説ありますがアメリカのインディアナ州から種が米人の英語教師によって青森県に運ばれたのだそうです。冒頭にも述べたようにりんごは歴史が古い果物なので諺や言い伝えに沢山使われていますが、今でも使われているものに apple-polish があり、生徒がピカピカに磨いたりんごを先生にあげたことから「ごまをする」になりました。 He always polish apples to his boss または apple-polishes と動詞として使っても良いです。 apple‐pie order はキレイに薄切りのりんごが並んでいることから「キチンとしている」になりました。 His room was in apple‐pie order と使います。
では皆さん、最後に部屋はいつも in apple‐pie order で他の人からあいつは apple‐polisher と陰口を叩かれないよう気をつけましょう。
本紙2012年4月27日付(2218号)掲載
バックナンバー
- りんご apple の考察 2012.12.24 月曜日