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ケヴィン山内の英語まめ知識

2010 FIFA World Cup South Africa からCardigan & Sweater

 今、サッカーのワールドカップが南アフリカで行われている。日本は、はるか上位のカメルーンとデンマークを破ったことで連日のニュースを賑わせている。そして日本の女性ファンがブログ blog などで噂しているのがドイツの監督の服装だ。

 通常、監督は試合場ではスーツを着ているが、この人はカーディガンを着ていて、しかもピチッと体にフィットしていて、全部のボタンをとめている。それがとってもかっこいいとのこと。このcardigan とは17世紀の英国の軽騎兵隊長 Cardigan 伯爵の名前からきていて、彼が参戦したクリミアCrimea 戦争で傷病兵に保温のためそれまでVネックだったsweaterの前を開きボタンをつけ兵の体にかけやすくした事にある。

 ではsweaterの語源はどうなっているのだろうか。11世紀にノルマン人が南下し地中海のシチリアでイスラム世界の手芸技術を学び、それをイギリス海峡に位置するガーンジー島(Guernsey)とジャーズィ島(Jersey)に伝えた。前者は乳牛や毛編みのセーターで知られ後者はジャーズィ種の乳牛や水夫が着るセーターやスポーツ選手の着るいわゆるジャーズィとして知られている。

 また、アメリカのNew York の隣のNew Jersey 州も有名だ。時は移りアイビーリーグ Ivy League のスポーツ選手が汗をかいて減量するため着るようになったのがことばの始まりで、sweat(汗をかく)+er (人)が元となっている。ここで言うセーターとはジャー
ズィやスウェットの意味合いが強い。これ以前にもセーターの形状をした衣類は存在していたが、いわゆる「セーター」という名前で認知されるようになったのは上記の頃からである。ついでに世界的に有名なセーターをご紹介します。fisherman's sweaterで知られているがスコットランド西方のアラン諸島のAran Sweater で防水と防寒のため作られており紋様が最悪の事故の時にも誰だか判るようになっているとのこと。

 Cowichan Sweater は19世紀初頭スコットランド人がカナダのヴァンクーヴァー島に住む先住民のカウチン族に教えた。狩猟に使うための防水と防寒用で漁師のそれと一緒で羊毛から毛糸にする時に脂肪分を抜かないで作られている。カナダの学生は真冬でもTシャツの上にこれ1枚だけで大丈夫だそうだ。さて、サッカーsoccer (特に欧州ではfootball という)の監督のカーディガンから話が拡がってきましたがドイツが勝ち残り、彼のカーディガン姿がずっとニュースで見られますよう、そして今年の冬はこのカーディガンで女性にアピールしてみませんか。

本紙2010年7月7日付(2153号)掲載





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