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ケヴィン山内の英語まめ知識

×ジャグジー ○ジャクーズィ

 これは私が直接聞いた話ですが、今から数十年前TOTO(とーとー)の代理店がTOTO㈱に電話して、最近Jacuzziという新しいタイプの風呂が日本へ入ってきたそうだが、カタログを送って欲しいと頼んだら、何をどう間違えたか水道の蛇口のカタログを送ってきたそうです。これ本当の話なんです。天下のTOTOさんも当時は全然知らなかったのですね。
 

 アメリカ人のRoy Jacuzzi さんが発明したといわれるいわゆる噴流式の泡風呂のことで、今世界中で大流行していますね。たかが一商品だからまさか辞書に載ってないだろうと思って電子辞書を見たらJacuzzi(商標)あわ風呂、ジャグジーと出ていました。商品も辞書に出ればたいしたものですね。では今なら良くご存知だろうとTOTOのお客様相談センターへ聞いてみたら、自社のその類いの製品は輸出していないのでブローバスという商品名の英語の綴りも判らない、との事でJacuzziのことはこの方もジャグジーと言っていました。

 ことばに興味のある読者の皆さんも不思議に思いませんか? なぜCの発音がGの発音になってしまうのか。それは日本人が濁音を好きだからなんです。ジャンパーがジャンバーに、車のバンパーがバンバーになってしまう位ですからね。ユーラシア大陸を伝わって入った文明、習慣、言葉はこれ以上東へは行けないので、日本人は良く言えば鷹揚、悪く言えばいい加減に何でも取り入れ自分流に咀嚼せざるを得なかったのです。その日本人の性質をよく表しているのが、「日本人は物真似上手、でも独創性に欠ける」と。

 少し本題から外れてしまいましたが、外国語を採り入れる事に甘い日本人の皆様、あわ風呂はジャクーズィが正しいのです。少しコマーシャルのし過ぎですかね。


本紙2008年7月27日付(2083号)掲載





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