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ケヴィン山内の英語まめ知識

ロマンとゴシックの関係

 私達が日頃何気なく使っている「ロマン」ですが、どういう意味なのか考えてみた事がありますか? 「愛とロマン」だとか「ロマンだねえー」などと表現していますが、本当に何となくかっこつけて言っているだけでうまく日本語になりませんね。「大正ロマン」とか「ロマン主義」などというのが辞書に出ているので、最初に使ったのは大正時代の人達なのでしょうか。

 英語に直すと「Roman」となり「ローマ人の」、「ローマ風の」、という意味になってしまい、はっきり申し上げて私達が使っている「ロマン」は「Roman」とは全く意を異にしている、という事になります。

 類語で「ロマンス」を辞書で見ると「romance」とあり①小説的事件、恋愛事件、②中世騎士物語、③伝奇、空想小説、ロマンス、架空的な作り事、④ロマンス語などと出ていて何と日本語でいうロマンスは③でやっと出てきますが、※「日本語のロマンスは英語の romance に当らないことに注意」、と辞書にわざわざ触れている位です。そこで皆様もいつも使っている「ロマン」が「Roman」と直接は結びつかないことに納得された事でしょう。だからタイトルにあったロマンとゴシックはほとんど関係がありません。皆さんに目を止めていただくためのテクニックです。

 さて、ではゴシック又はゴチックですが、原意では「ゴート人の」という意味です。ゴート族(Goth)は3~5世紀には両ローマ帝国に侵入してきたプロトゲルマン人でイタリア、スペイン、フランスに王国を建設しました。 Gothicはローマ人が新しく他からやってきた彼等をGothic と呼び軽蔑の意味を込め、「粗野な」とか「野蛮な」と意味が生まれたのです。漢民族の中国人が、自分達が一番優秀で回りの国を軽蔑し、例えば南の国の意味で「南蛮」と呼んだのと良く似た考え方ですね。

 「ローマは一日にして成らず」ですから別の機会にまた詳しく触れたいと思います。

本紙2008年6月27日付(2080号)掲載





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