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「破綻の産物」

 「破綻」=物事が綻びて繕えないように手直しも手詰まりになる事。修復しようがないほどうまく行かなくなる状態。――今、世界経済の破綻の渦の中で私たちは乱舞させられています。あらゆるものをなぎ倒し、打つ手打つ手を一蹴し、ひたひたひた……と、ゾッとするような冷たい足音を立てながらそれが近づいてきます。私たちはその足音をすぐ背後に聞き、怯えています。これほどまでの混乱が起こり得るなんて……。私たちの生活様式をこんなにも変える恐怖が存在するなんて……。一体誰が予測出来たでしょう。日常生活を一変させたコロナウイルス。有効なワクチンはいまだ開発中で、その間に日々刻々と状況は悪化している。

 さて、どんな状況の中でも失われるものがあれば、反対に生まれるものもあります。狄佑励瓩その一つかもしれないと私は強く感じています。銀座と言う場所は一つの「ムラ」であります。そんな「銀座村」は店の派閥やらお客様とスタッフの関係やら、そんな域を超越して、今、一致団結しているのです。あるお客様はママやホステスたちのネットワークを利用したビジネスを考案し、少しでもお金がまわるように彼女たちを救おうとなさっています。また、あるママは余った時間でマスクを手作りして配っています。そしてホステスや黒服たちはスマホをツールとして顧客や仲間のケアを彼女たちなりにしています。

 給与未払いが続出して高嶺の花が大安売り……なんて差別的な発言も耳にする中「男粋」「女粋」を見せられる人間が銀座には沢山います。自分も苦しい、だけどその苦しさ・辛さは他人とて一緒、もしくは他人の方が窮地に立たされているかもしれない。そう考えて自分よりも周りのケアを出来る人たちがいる。思い遣りの気持ちや行動力は昼夜関係なく個人で変わってきます。

 人生を線で考えれば、二年三年は点でしかありません。コロナ危機の状態は長く続かない点の期間になるかもしれない。その時期に狄佑励瓩鮴擇襪深めるかはその人の人間性に関わると思います。本当の優しさと言うものは、表面的な言動では終わらない。どう行動するか。このコロナ危機によって大事な何かを失わない言動をしたい。そうする事でギリギリの状態から復活を遂げる事がきっと出来る。人情の街に産み落とされた「絆」……それもこの深刻な状況が生んだ産物なのでしょう。





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