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小池安雲の色の魅力

第102章

 関東地方は暑い日が続くようになってきました。みなさんの地域はいかがですか? 新型コロナウイルスに関する緊急事態宣言が解除されて、気温の上昇にともなうように生活も徐々に活発さを取り戻してきました。お店が開き、イベントが再開されていく様子を見ると、懐かしいような新しいような気持ちになります。厚生労働省からは「新しい生活様式」が発表されました。人とは対面で向き合うのではなく横並びが推奨されていることなどからも、以前と同じ活動が再開されるのではなく、新しいスタイルになっていくことが窺えますね。

 「新しい生活様式」という言葉を聞いて、とても新鮮な印象を受けました。なぜなら「新しい」はどちらかというと革新的な言葉なのに対し、「様式」は長い間によって作られた形式で、保守的なものだからです。では「生活」はというと「生きていて活動すること」もしくは「社会のなかで暮らしていくこと」の意味。新しい生活様式とは、生きるための活動スタイルが変わってくることなのだと改めてわかります。

 新しいこと、生きること、活動すること。これらを色で表すとレッドです。レッドは生命そのもの、生きる力を表す色であるのとともに、前例のない活動という意味合いもあります。レッドは、私たちが生きる上で欠かせないものだと言えるでしょう。かたや、様式を表すのはグリーン。長い時間をかけて培われてきた「型」における、美しさや快適さを表します。新しい生活様式を色に例えると、レッドとグリーンというクリスマスカラーになるのが新鮮ですね。お正月の、門松と南天のカラーリングも同じです。南天は「難を転じる」という言葉があるように、とても縁起が良い植物です。色は、眺めているだけでも心理に影響を及ぼす非常に大事な要素。いま、新たな挑戦をするときだからこそレッドを活用し、その新しさを落ち着かせるためにグリーンを取り入れましょう。グリーンは心をリラックスさせてニュートラルな状態に戻す効果があります。興奮しやすいときも落ち込みやすいときも、いずれにも使える万能色。観葉植物などで取り入れて、ワンポイントにレッドを使うのがおススメです。お正月のカラーリングを取り入れて、難を転じていきましょう。

 ここでいつものワンポイントアドバイス。レッドは活力の色ですが、使いすぎると興奮しやすくなってしまいます。怒りっぽいな、イライラするな…と感じたときには使う量にご注意あれ!


2020年6月17日付・第2511号紙面より


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