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小池安雲の色の魅力

第101章

 初夏になりました。寒くもなく、暑すぎもせず、日差しが強すぎないので散歩には絶好の季節ですね。立夏の風に吹かれて新緑を眺めていると、晴れ晴れとした気持ちになってきます。「陽気」を辞書で引くと、“ほがらかで明るいこと”、“時候、天候”、“万物を発生・活動させる陽の力”という3つの意味が記されていました。気分・季節・活動という多様な意味をたった一言で表している「陽気」はすごい言葉ですね。

 みなさんは陽気と聞いて、どんなイメージが浮かびますか? ぽかぽか、太陽、日差し、明るさ……。それらのイメージは、きっとまぶしいものだと思います。そのとおり、「陽気」はイエローやゴールドが持つ色彩心理の言語です。色は、心に影響します。陽と言えば、対義語は陰です。陰はその名の通り、静かで落ち着いているもの。ネイビーやブラックなど、暗い色や濃い寒色が陰の色にあたります。これらは、気持ちが浮ついてしまっているとき、物事をじっくり考えたいときにピッタリの色です。ただ、陰の色ばかりを用いていると、思考は落ち着きますが気分はなかなか上向きません。実は、思考は感情と大きく結びついています。思考は感情を呼び起こし、感情は行動につながっているため、頭で考えることはいずれ現実に大きく影響してくるのです。

 なかなか前向きな気分になれないけれど気持ちを盛り上げたい!というときには、明るい色を積極的に使うことをおススメします。イエローとゴールドは陽の色のなかでも特に明るく、刺激的な色。好奇心を刺激し、知識の吸収を高め、発想力を活発化させ、前向きな思考を後押しする…といいことづくめの「陽気」のためにあるような色合いです。刺激が強すぎるため、壁などの面積が多いものに使うのは難しいかもしれませんが、イエローの花を飾ったり、ノートやペンを使ったり、金ぴかの写真立てを使ったりと、ぜひ気軽に工夫をしてみてください。

 新型コロナウイルスの影響で、まだまだ自粛が続く方も多いと思います。私もほぼ家にこもりきりですが、散歩をして陽の光を浴び、イエローのキャンドルを灯して陽気を養いたいと思います。

 ここでいつものワンポイントアドバイス。イエロー&ゴールドは陽気でゴージャス、さらに自己価値を高める色ですが、使いすぎると「価値」が過剰になってしまい「見栄っ張り」に足をつっこんでしまいます。くれぐれも、使いすぎにはご注意あれ!


2020年5月17日付・第2508号紙面より


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