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概要

ねじ関連辞典

8.2熱処理用語Mf点(Mfpoint)過冷オーステナイトはMs点で,ゼルテンサイトになり始めて後,過度の降下とともにマルテンサイトの量を増すが,遂にマルテンサイトの生成が止む温度がある.これをMf点とよぶ.Mf点で必ずしも残留オーステナイトが全く消失するとは限らない.(-70°C前後である.)過熱かねつ(over-heating)鋼を所要以上の高温に加熱することをいう.ウィドマステッデン組織となり材料の機械的性質は脆弱となる.熱処理,鍛造の加熱にはこの過熱は絶対に禁物過冷かれい(supercOOIing)融体または固体が変態点湿度以下に冷却されても,冷速その他の条件で惰性のために変態以前の状態を持続することがある.これらの現象を過冷という球状パーライト(sphericalpear lite)普通の冷却速度ではパーライトは層状になるが,A1以下の温度近くに長時間置くと球状化する.これを球状パーライトと呼$.またA1温度でAcm,A3とA1の間を数回繰返して上下させても球状パーライトは得られる.パーライトを球状化すると組織全体がやわらかく,粘り強くなるグレーンサイズ(grainsize)結晶粒の大きさ。単位而積または休積巾の結晶粒の数をもって表現される.通常にいわれるのはオーステナイト結晶粒度をいうが,フェライト結晶粒度を論ずることもある結節状トルースタイトけっせっじょうとる一すたいと(nodulartro-ostite)鋼の焼入時に発生するトルースタイト組織.過冷ナーステナイトがAr1変態点で発生する.通常マルテンサイトと共存する.近来はこの組織は微細パーライトという顕微鏡組織けんびきょうそしき(microstructure)顕微鏡で調べられる金属組織のことで,試験面を研磨して腐食させて検鏡することでみられる研磨ワレけんまわれ(polishingcrack)焼天したままの鋼を研磨すると表面だげが急速に焼モドシーをうけ収縮するのでワレる.この現象を研磨ワレと称し,これを防止するには研磨にさきだち200°C焼モドシを施せばよい黒鉛化こくえんか(graphitizat-ion)鉄と炭素の化合物であるセメンタイF(Fe3C)は,⊆OO~1000°Cにし長時間加熱されるとFe3C蓼3Fe+Cの変化によってセメンタイトが分解し黒鉛(炭素C)ができる.黒鉛化処理は可鍛鋳鉄の製法に広く利用される.