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概要

ねじ関連辞典

3.1.2工具用材料打刃物地鉄特に英語は見当たらない。特殊鋼の中でも純粋の鉄に近い。C<0.08%という化学成分のもので、極めて軟い。900~1000℃から水冷しても硬化せずHB<192のかたさであることが望まれ、刃物鋼と合わせて打刃物を作るのに用いられる。従来JISで規定されていたが、31年4月の工具鋼規格の大改正の際廃止された。強靭鋼(highstrengthsteel)機械用材料として強さおよび靱性(粘り強さ)の大きい鋼の総称で、切削加工を行った後、熱処理をほどこして使用するものである。内容的には鍛造用合金鋼と同じである。けい素鋼(silicon steel)Siが0.5~4%を含む特殊鋼で、電気抵抗および導磁率が大きいために発電機、モーター、トランスなどの鉄心に使用される。電機薄板用鋼として賞用されている。高速度鋼(high speed steel)JIS G 4403記号SKH.切削工具用の鋼で、焼き戻し抵抗が非常に優れ、焼き入れによって生ずるマルテンサイトは約600℃まで分離しにくいのと、焼き入れされた地の中に、硬い炭化物が存在することを特徴としている。切削熱が昇り刃先の温度が高くなっても使用上差支えないだけの耐酸化性と耐摩耗性を見せる。☆タングステン高速度鋼(tungsten high speed steel)この鋼は高速度鋼の標準形であり、いわば普通級に属す。代表的なものは18%W、4%Cr、1%V、俗称18-4-1形である。適当に焼入れ、焼戻しすれば著しく硬化し、しかも高温かたさが高く、耐摩耗性もまた大で在来の工具鋼よりもはるかに高速度切削に耐える優秀な工具鋼である。しかし焼入れかたさは炭素工具鋼と大差ないが、焼戻しにより硬度が上がる。したがって軽金属を低速切削する場合には炭素工具鋼のほうが、かえって切れ味がよい。☆低タングステン高速度鋼(low tungsten high speed steel)この鋼は、焼入れに対して敏感であるから焼入れ温度と時間に特別の注意が必要である。また脱炭を起こしやすいことも十分考慮すべき点である。これらに注意を向ければ、その性能は従来の18-4-1形に勝るとも劣るものではない。