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村上泰賢氏の「わが国産業革命のはじまり」15-ペリーが見た日本人―

  日本人の完璧な手工技術(つづき)

 『ペリー艦隊日本遠征記』はさらに「ひとたび文明世界の過去及び現代の知識を習得したならば、日本人は将来の機械技術上の成功をめざす競争に於いて、強力な相手になるだろう」(『ペリー艦隊日本遠征記 』下巻・オフィス宮崎編訳・万来舎)と、やはり日本人の特質を見抜いて報告している。
 
 ニューヨークタイムズ記者は、これからやってくる日本の遣米使節一行を取材する予備学習として『ペリー艦隊日本遠征記』を読んで、初めは欧米以外にそれほど進んだ国が本当にあるのかと半信半疑でいたが、実際に到着した日本人一行を観察した結果、納得してペリーの記述を追認する記事にまとめたのではなかろうか。


日本人の文化と教養

 同書からペリーが浦賀で見た日本人の様子をもう少し紹介しよう。

 「日本の役人たちは育ちの良さを示すかのように、紳士的冷静さで節度あるマナーを終始崩すことなはなかったが、とても社交的で、自由に陽気に会話を楽しんだ。彼らの持つ知識や情報も、洗練されたマナーや人なつこい気質に劣らなかった。

 育ちがいいばかりでなく、教育程度も高かった。オランダ語、中国語、そして日本語に長け、世界地理や科学の一般的知識にも通じていた」日本人が「日本語に長(た)けて」いるのは当たり前で、どういう意味なのか首を傾げるが、教育程度が高く外国人にも通じる礼儀やマナーを心得ている当時の武士の様子がよく表現されている。260年間戦争をしなかった江戸幕府の政治が育んだ文化と教養がこの評価の背景にあることを指摘しておこう。(つづく)

本紙2350号(2015年12月27日付)掲載





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