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社説 波紋

書体=フォント

 どのように書いたら表現したら読みやすくなるのだろうか、内容を纏めたら良いのであろうか、興味を抱き持って頂けるのであろうかなど、新聞、雑誌から小説等に限らず書籍、印刷物の全般にわたって関わることであり、大袈裟に例えたら永遠のテーマかもしれない。

 携わる者は文字の大きさ、書体(フォント)、配置をはじめ様々な要素を組み合わせた構成により、最適な出来栄えを常に心がけ追い求めているのだが、その先の評価になると作り手側の思いが確実に伝わっているかは色々なケースが想像できる。まだまだ努力不足、改善の余地があるということなのであろう。

 個々の取り組みが多彩にみられる中、教育現場で広がりをみせている書体に“UDフォント”がある。デジタル教科書向けに開発され、従来の教科書体等の欠点を補い、その読みやすさから学力向上効果の事例もみられ、現在では薬包装箱の注意事項やバス車内液晶案内画面など多方面での応用並びに活用事例が挙げられる。

 誰でもが読みやすい書体は理解が深まる性質を備えていることにもなる。今後、書籍並びに印刷物に加え、あらゆる場面での多用が予想される。会議資料等にも有効と思われるが、理解度は高まるものの個人差もあるため全て同様になるものではなく、一つの手段、取っ掛りとしての活用に捉えた理解が必要であろう。

[2019年8月27日付け本紙2482号掲載分]


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