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社説 波紋

漢字ドリルに学ぶ需要市場の創出

 うんこ漢字ドリル。なんとも、受け入れ難い言葉を冠に採用しているが、教材分野では異例の大ヒット作品になっている。

 小学1年生から6年生までの学年ごとにドリルがみられ、全ての問題例文に「うんこ」が取り入れられ、約二年の歳月をかけて問題例文に問題が見当たらないかの校正を重ねるなどして、出版された。

 教育上の観点からは好ましくない言葉に分類されるが、ユーザーの小学生にとっては従来の教材よりも取り組み易く、教材テーマの「日本一楽しい漢字ドリル」に捉えられて好評を得ている。

 買い与える親たちは嫌々よりも、自分の経験に置き換えての心理が働いたかは定かではないが、ドリルを使って勉強する姿に向かって目を細めているかは不明である。

 これまでの常識を打ち破り、禁断の領域を超えた賛否両論のドリルではあるが、新学習指導要領にも対応している。小学生目線の想像から出版し、適確に実行したドリルとも云われる。

 潜在ニーズの掘り起こし、新たな需要市場の創出などに成功した事例になるのかもしれない。つぎはうち、同業他社の力む顔が浮かぶ。

[2017年6月7日付け本紙2402号掲載分]


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