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社説 波紋

円安によって競争力は構成部品の企業にとって・・・

 円安効果は何処へやら。一部の組立産業等では国内回帰の動きもみられるのだが、その内容は関係者からしてみれば到底満足のいくものではないと。

 円安によって競争力の得た国内で組み立てをおこない、国際市場に供給されて利益を生み出そう(確保)としているのだが、ねじ業界を始めとする構成部品の企業にとっては、国際価格での調達が基準のため手放しでは喜べないこともあるようだ。

 為替変動も背景にした利益の上乗せによる増収増益の決算見込みも聞かれ、この季節には高いニュース性を誇る労使交渉の賃金は、大手企業になればなるほどに要求の満額、過去最高などとの回答が多いのは気のせいであろうか…。

 一方の我々中小企業の状況は、そこまでの水準を満たせるのは稀である。しかし、このところの人手不足、希望人数に満たない新卒者の採用などからすると、眼を逸らして済む企業環境とは異なるのでは。耳の痛い話と云うよりも、懐事情が痛くなる話なのかもしれない。

 金ではないと、メジャーから日本球界に復帰した選手を“男気”と讃えるが、心底には言葉・文字では表せない何かを伝えたいのでは。きっと、大手企業にもある筈だ。

[2015年3月17日付け本紙2322号掲載分]


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