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社説 波紋

日本経済の現状をみると

 7月に入った今日、日本経済の現状をみると、ねじ産業の動向に深い関係をもつ製造業は総じて持ち直しの動きを続けており、また、住宅建築など建設分野の動きも総じて持ち直しの動きということで、ねじ需要見通しも安定推移の見込みということだ。

 まず、一般経済の動向についてみると、上昇を続けていた株価が調整局面をむかえ問題視された円高もここへきて一時的とはいえ歯止めがかかっている。国内需給のうち、個人消費が堅調なことに加え、住宅建築も好調に推移しているなど、消費マインドは引き続き改善の動きを示している。

 一方、企業活動は円高修正による収益改善や国内景気の持ち直し等で投資意欲に回復の兆しがみられ、製造業各分野で生産の伸びが顕著となっている。最近の鉱工業生産動向をみると、伸び率は低いものの連続の上昇を続けており、輸送機械工業や電子部品・デバイス工業等の動きが目立ってよいという点など、ねじ産業にとって期待をふくらませている。

 さらに建築関係も住宅及び非住宅とも好調で、4月の新設住宅着工戸数は前年同月比五・八%増の七万八千戸と八ヶ月連続のプラスとなっており「持ち直しの動きが定着してきた」ということである。

 その他、機械受注の推移をみると、製造業で4月が前月比七・三%減ということで一連の「持ち直し」気運に水を差すような製造業の先行き見通し(気配)である。ただし紙パルプ業や石油・石炭産業が主な中身だというから、ねじ需要産業の動向にかかわりは薄いということだ。

 とりあえず2013年後半のねじ産業にとって先行きは明るいといえる見方ができよう。       


[2013年7月17日付け本紙2262号掲載分]


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