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ゲ峽

 花形(はながた)……。この世界にいるとそういう人物に会う機会があります。何を以って花形かと言うと「自分の見せ方を知っている=外見」も勿論そうですが、成功していてなお「人」として出来ている。つまるところ、やはりハートなんですね。心震える経験って人生の中に沢山あった方が良いけれど、そうそうないものです。そういうときめきを幾度となく与えて下さった花形のお客様がいらっしゃったんです。


 見事なロマンスグレーに男らしくゴルフ焼けした肌、淡い色のジャケットが良く似合うIT企業の社長さん。そうです、もう見るからに完璧な人です。いかにもという感じのギラギラした物でなく、知る人ぞ知るさりげないブランドをお持ちで、いつも拘りのあるお洒落をなさっています。ママも先ずご挨拶に来られ、同じ席のお姉さんがそのお客様の趣味の良さに感心して褒める言葉しか出てこないくらいです。うん、確かにスペシャル、そんな雰囲気の方です。来店されると、マッカランの十八年をロックで嗜まれます。う〜ん、渋い! 声すらも耳障りよく、落ち着いた語り口で『紳士』という言葉はこの人の為にあるんだという気にさせられます。

 「四十歳過ぎた顔は男の履歴書」その言葉通り、表情や振る舞いにオーラのある方でした。株から任侠の世界の事まで幅広い知識をお持ちかと思えば、髪の毛がくせっ毛でピョーンと立ってしまう事や、ぎっくり腰になったエピソードなんかをあけすけにお話下さる事もありました。人は完璧すぎると入り込めない。その隙をナチュラルに開いて下さる方でした。

 そのお客様のお話を聞く限り、もともとが資産家のお家柄なのだという事が分かります。人間は弱い生き物ですから、恵まれた環境にいると欲しいままに生きてしまう。ところが、そのお客様を見ていてもそういう傲りの欠片も見当たらない。どうしてでしょうか? 実は三十代の頃、大病をなさってそこから這い上がられたそうです。なるほど苦労も経験されていたのです。痛みを知ったうえで、困難を乗り越える前向きさを意識深くに備えていらっしゃるのだという事が解ります。キラリと光る雰囲気を持つ人は、人生の道を切り開く事が出来る。瑯綟馥鬚魘未砲広瓩箸いΩ斥佞ありますが、人並みならぬ努力をする経験は生き方の礎になり得るのだと感じました。

本紙2018年12月27日付(2450号)掲載





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