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小池安雲の色の魅力

第89章

 元号が変わりましたね! 新元号の「令和」は、非常に美しく調和をもたらすイメージで、心浮き立ちます。ご譲位と即位日の告知からその日までに十分な時間があったおかげで、「これから新しい時代が来るぞ」という心構えができたのも新鮮でした。大きな節目があると、「自分も新しいスタートを切りたい」という気分になります。「令和の時代を、どのように生きていこう?」と問いかけた方も多かったのではないでしょうか。

 令和と昭和の和、平成の平と、元号は代々平和や調和の意味を持つ漢字を用いていますね。調和は英語でハーモニー。ハーモニーと言うと音楽がまっさきに思い浮かびますが、音の数比、弦の長さの比と和音の関連を発見したのは数学者のピタゴラスでした。すべてのものは数字と調和により成り立っていて、惑星の軌道もハーモニーであるというのがピタゴラス学派の考えです。

 宇宙と聞いて思い浮かぶのは漆黒のようなネイビーですが、ネイビーはまさに調和の意味を持つ色です。それぞれの星が付かず離れず、絶妙な距離感で成り立っている宇宙は、まさに調和の象徴かもしれません。惑星に見られるような距離感とネイビーには、密接な関係があります。

 ネイビーは、距離によって親密さを調整します。ものに例えるなら家です。家には専用の敷地、ドアがあるように守られている場所のこと。この限られたスペースには、自分自身や家族などの大切な人たちが暮らします。たまに友人を家に招いて交流することがあっても、基本的には閉じて守られた空間です。

 人の心も、この家のような「自分の場所」です。交流したいときはオープンにしながら、休むときはドアを閉じて、お互いのスペースを尊重し合っていく。まるで空気を多く含むあたたかな衣類のように、適度な距離感がそこにあたたかな関係をもたらしてくれます。自分の場所を大切にしつつ、相手の場所も大切にしていく。その大切な気持ちでみんなが繋がっていく、それがネイビーによる調和のメッセージです。

 ここでいつものワンポイントアドバイス。ネイビーは場の空気を重んじる色なので、時折本音を言いづらくなります。そんなときはゴールドを足してみましょう。調和のなかにキラリと光るポイントを持つことで、調和しつつ一目置かれる存在になれますよ! ただし、ゴールドばかり使いすぎると目立ちたがりに見えてしまうので、くれぐれも使いすぎにはご注意あれ…!


2019年5月17日付・第2472号紙面より


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