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小池安雲の色の魅力

第71章

 11月。1が二つ並ぶと寄り添っているように見えて嬉しい……と、つい乙女のようなことを感じるのは、気温が下がるとともに寂しさが増して人恋しくなるからでしょうか。色は暖かな暖色と冷たい寒色、そしてどちらでもない中間色に分類されますが、冬は寒いので寒色のイメージです。

 ブルーやバイオレット、ターコイズなどの寒色がお好きという方はいらっしゃいますか? 服や小物やインテリアなど、「昔は赤系が好きだったけれど、最近は青系ばかり選ぶなあ」と思われる方は、“人恋しさの感覚と距離感”が変化してきたのかもしれません。

 ブルーは、暖色が含まれない生粋の寒色です。暖かさがないため、とてもクール。ただ、冷徹さとは異なります。

 ブルーは水の色です。水はさらりとしていて形を持ちませんが、気温によって自在に形を変えます。冷たくされれば氷となって固くなり、熱を加えれば温まり、さらに加熱すれば熱湯にもなる。レッドのような熱はないけれど、環境次第でいかようにも熱くなれるのです。これが、人恋しさの感覚に関わってきます。元々クールなブルーですが、人間関係によって感情や行動が生まれるのです。情熱を授けられれば「やるぞー!」と意欲を燃やしますし、熱烈な愛情を受ければ「私も愛してます!」と、同じように熱い愛を返すかもしれません。ブルーに人生の豊かさを与えるのは人間です。そのため、たくさんの魅力的な人と関わろうとします。ブルーは実はとても社交的で、コミュニケーションを求める色なのです。

 では何故、人恋しさに「距離感」が加わるのか? それは、ブルーが人から影響をされやすいという理由にあります。環境によって形を変えられるということは、時に自分の意図しない影響も受けてしまうのです。愛情や刺激は豊かさをもたらしますが、限度を超えると振り回されて疲れてしまい、結果、人付き合いを避けるようになります。ブルーは、人を恋しいと思うと同時に、少し距離を置きたいなと感じる色でもあるのです。その距離感を柔軟に捉えることがとても大切です。最近寒色が気になるようになったという方は、快適な距離を意識することで楽しく過ごせるようになるでしょう。

 ここでいつものワンポイントアドバイス。ブルーは影響されやすいので、素敵な人の側にいるとモチベーションが上がります。しかし、やりすぎると自主性が減ってイエスマンになってしまうので、使いすぎにご注意あれ!


2017年11月17日付・第2418号紙面より


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