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小池安雲の色の魅力

第53章

 ゴールデンウイークが終わりましたね。みなさまはいかがお過ごしでしたか? 私は久しぶりに休みを取り、庭木を植え替えたり料理をしたりとゆっくりとした時間を過ごしました。家の手入れをするのは久しぶりです。

 今月で、東京から埼玉県の久喜市へ引っ越して丸一年が経ちました。20年近く都心に住んでいたため、隣の県とはいえ遠方に引っ越すことは個人的に大きな決断でした。というのも、物心ついたときから「都心で暮らしたい」と思い続けて来たからです。色々な映画館や美術館へすぐに行けて、飲食店もたくさんあって、夜遅くなっても電車がある。都心にいれば自由な生活ができると信じていましたし、遠方にお住まいの方が食事の途中で「もう終電の時間なので」と先に帰ってしまうことを寂しく感じることもありました。それが今では私の方が「お先に失礼します」と言う側になっています。

 新生活が不自由かと問われれば、不自由な点はあるけれども総じて快適だ、と答えるでしょう。便利さは自由さのひとつですが、私は別の形の自由を手に入れました。ゆったりとした時間、地元産の新鮮な野菜、のどかな風景。そして、手に入れた一番大きな自由は「場所が変わっても、変わらないことがある」と気づいたことです。遠くに住んでいても変わらぬ御縁があり、交通網の発達のおかげで大抵の場所には行くことができ、インターネットやSNSが発達しているおかげで孤独を感じることもありません。

 自由の色はブルーです。ブルーは境界線を越える色。枠組みを超えて、広い世界とつながるという意味を持っています。私にとって引っ越しはまさしく「枠組みや固定概念を外す」という一種のステップになりました。ブルーの自由は精神的なものを表します。無理と思えば無理だけれども、楽しいと思えば楽しくなる。その柔軟性が、新たな可能性をもたらしてくれるのです。そう捉えてみると、自分で「ダメだ」と思い込んでいることは意外と多くあります。その固定概念を手放して新たなスタートを切ってみるのもいいのかな…と新天地での一年が経過し思いを新たにしました。今住んでいる場所は、空が広いです。空のブルーに力をもらい、またこれからの一年を頑張ります。

 ここでいつものワンポイントアドバイス。ブルーは柔軟性の色ですが、柔軟さがありすぎると規則性が失われます。自由だからどうなってもいいや、と投げやりになると途端に怠惰になってしまうのでご注意あれ!


2016年5月17日付・第2364号紙面より


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