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小池安雲の色の魅力

第42章

 梅雨の季節になりました。洗濯物は乾きにくいですが、お肌はしっとり良い感じです。みなさまいかがお過ごしですか? 私は引っ越し先にだんだんと馴染み、腰を落ち着けつつあります。いまは六月。四月の新年度から何かをスタートさせた方も、一月半経った現在は新しい環境に馴染み始めたのではないでしょうか。

 馴染む、という感覚を言葉で説明するのは、簡単そうに見えて意外と難しいですね。慣れる・親しむ・調和する、という感覚が一番近いでしょうか。人間関係における最初の一歩は、まず相手と近しい関係になること。その際に、この “馴染む”感覚は大きく役立つかと思います。

 馴染む感覚をサポートするのはオレンジです。オレンジは見た通り、明るくて元気な色。親しみやすさや親近感を与えます。明るさは社交的であることに繋がる大切な要素。たとえ口ベタでも、明るい印象であればグッと好感度が増します。また、オレンジは健康の色でもあります。身体を意味するレッドと神経を意味するイエローの混色であるため、心身ともにバランスの良い印象を与えることができるでしょう。さらに、オレンジが人間関係で役立つ最大の理由は“受容”と“共感”の色だから。いくら明るくて元気でも、自分の話ばかりするような人は敬遠されがちです。たとえ同意できない内容であっても、いったん「そうなんですね」と相槌を打つだけでもだいぶ印象が変わります。共感は非常に重要な要素で、初対面の方と仲良くなるスキルとして「初対面の際は、必ずYESという答えが返ってくる投げかけをする」というテクニックがあるくらいです。例えば、「今日はいいお天気ですね」と晴天の日に聞かれたら、必ず「そうですね」と返事をしますよね? 些細なことに見えますが、この共感と親しみやすさがオレンジの“馴染む”社交の第一歩です。何か難しい話し合いの時などは特に「でも」とか「しかし」という否定形を使わずに、まずは「そうなんですね」と受け止める形で会話をスタートさせましょう。そして相手に自分の想いを伝えましょう。オレンジは“仲間”の色。お互いの個性を尊重しつつ想いを伝え合うことで、きっと良い結果が得られるでしょう。

 ここで、いつものワンポイントアドバイス。オレンジは“馴染む”色ですが、行き過ぎると“馴れ馴れしい”色になってしまいます。過ぎた同調や共感は、単なる「お調子者」として認識されてしまうので、使い過ぎにご注意あれ!

2015年6月17日付・第2331号紙面より


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