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小池安雲の色の魅力

第3章

 3月も半ばになりました。卒業や入学・入社など、出会いと別れの季節ですね。そして、梅や桜の季節でもあります。街を彩る美しい花々に、春の訪れを感じている方も多いのではないでしょうか。
 赤・白・ピンクなどの色合いは、実は出会いと別れの季節にぴったりなんですよ。
 白は、涙、浄化、リセットの色です。仲の良い友人や恩師、馴染んできた生活との別れは辛く、涙することもあるでしょう。涙は、悲しみや苦しみ、葛藤などをすべて洗い流してくれます。ですから、「泣くなんて恥ずかしい」なんて強がりは言わないで、思い切り泣いてください。
 しかし、なかには「泣きたいけど、泣けない」という方もいらっしゃると思います。そんなあなたは、涙の代わりに白い服を身に纏いましょう。色を取り入れるのは服に限らず、雑貨や小物でも良いです。物を買わずに過ごしたい場合は、目を閉じて真っ白な世界をイメージし、大きく深呼吸してみましょう。
 浄化を終えた状態は、例えるならまっさらな白い布。どんな色にでも染まります。白い花嫁衣裳が「嫁ぎ先の家風に染まる」という意味なのは有名な話ですよね。
白を何色に染めるかは自由ですが、寂しさを感じるときには赤がおすすめです。
赤は、情熱と愛の色です。まっさらな状態にはまずLOVEを。切ない心を、愛が癒してくれます。
 さらに、赤は家族や地域の絆の色でもあります。喪失感を癒してくれるのは周囲の人たちとの絆。深く強固な繫がりが、変化のときにサポートしてくれるでしょう。そして、その温かいサポートが、赤と白の合わさったピンクが持つ「自分を愛する」という意味に繋がります。この季節に美しいピンク色の桜が咲くのはビジュアル的にも色彩学的にも素晴らしいですね。
 と、こんなことを書いておきながら、当の私は入学も卒業もウン年前の遠い記憶(!)。いまはもっぱら、美味しいお酒を片手に美しい桜を愛でるのみ。「ピュア」の白と「愛」の赤が合わさったピンクは「無邪気な愛」を意味しますので、花見は忘れかけた純粋な心を取り戻すのにうってつけです。桜の花びらが舞い散るシチュエーションで愛を語り合うのもいいかもしれません。
 ただ、ここで恒例の注意点がひとつ。
 ピンクは一見可愛らしく可憐に見えますが、実は「芯が強い」色でもあるんです。
 ピンク色に頬を染めた可愛い子と恋に落ちたと思っても、実は相当な肝っ玉の持ち主で「尻に敷かれた」なんてこともあるのであしからず。

 2012年3月17日付・第2214号紙面より


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